【閉店しています】
2023年1月13日に失火から全焼し、再建を断念しました。
最初、数年前にこの店に入ったときは、正直ピンときませんでした。
南房総の鯨料理の代表として、メディアには必ず出てくる店だったのですが、数年ほど前までは地元に揚がるツチクジラを扱わず、せっかく捕鯨の町を見にきた観光客が地元産の鯨を食べられないという不思議な店だったのを覚えています。
今回、美女を連れて南房総を訪れたものの絶対の自信でお勧めする「笑福」がお休み。
がーん。そっか、水曜定休だったっけ。
なかば他に選択肢がない状況で入りました。
メニューが大幅に変わっていました。
以前は鯨の竜田揚げやカツなど各種定食がありましたが、いわゆる「御膳」スタイルが中心に。
2,000円、3,000円、4,000円の3コースで、鯨の刺身(赤身&皮)、竜田揚げ、カツがマストアイテムで、高くなるにつれ鯨の佃煮や尾羽(尾びれ)など品数が増えていく形です。
そのほか鯨以外の定食もあるにはあるのですが、これは地元住民向けといった感じでメニューでも隅っこ。
一方で鯨を使ったユニークなメニューが目を引きました。
なので、それぞれ2,000円の「黒滝御膳」を頼むことにし「鯨のユッケ」「鯨のなめろう」を追加して分けることにしました。
出てきた「黒滝御膳」はなかなか豪華です。
もともと南房総で揚がるツチクジラは加熱して食べることがほとんどなので、刺身はミンクなどが普通。
この日はニタリクジラでした。
臭みもなくおいしい赤身です。皮もゴムのような独特の食感ですがうま味があり、赤身と合わせて食べてもおいしい。
また、竜田揚げはツチクジラ。味が濃く、食べごたえがあります。
鯨カツはミンクとのことですが、苦味のないあっさりした風味がサクサクの衣とあってました。
あと、小鉢のひじきのおいしさも特筆ものでした。
全体的にうまくまとめられ、2,000円でお得感を感じられるような御膳となっていました。
そして驚いたのがユッケとなめろう。
ユッケのたれはかなり本格的で、鯨肉特有の血の臭いと味がなく、目隠しして食べれば牛肉との違いがわからないほど。
また、千葉の特産として鯵などで作られるなめろうも、醤油だしが絶妙でおいしい。
鯨の形の盛り付けもかわいいです。
正直、この店の認識を改めました。もともと民宿として始まり、鯨料理店となっていく過程で地元の鯨以外を使ってきた店ではありますが、いまは変わったようです。
女将からお嫁さんに代替わりした影響もあるのでしょう。
ここなら「笑福」の代わりにお勧めすることができそうです。
国道沿いの分かりやすい場所にありますから、南房総に観光に行った際には立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
「ぴーまん」(千葉南房総・鯨料理)
https://tabelog.com/chiba/A1207/A120704/12003914/