ほんとうにおいしい店だけのグルメガイド
東京とっておき! !

南房総市和田町は捕鯨の町。

笑福

この町にある鯨料理の店のほぼすべてで食べましたが、「南蛮漬け」に関してはこの店に勝る味はありません。

ここでいう「南蛮漬け」(1,500円)とは、下味をつけた鯨の赤身に片栗粉などをまぶして揚げた「竜田揚げ」を熱々のうちに南蛮酢にくぐらせたもので、甘さや酸っぱさが加わることで単なる竜田揚げとはまったく別の、洋食っぽい華やかな味になります。

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とくに和田で水揚げされるツチクジラは味が濃厚なため南蛮漬けに向いているのですが、肉質の柔らかさもまた重要だとか。

この肉質の柔らかさへのこだわりは、南房総の人々が突出して強いようで、それに応えるために地元捕鯨会社では捕獲から解体までの流れが他の地域とまったく違います。

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それは、捕獲してからひと晩、海水に浸けたままにしておいてから解体すること。あえて鮮度を落とし、死後硬直を解くことで柔らかい肉を得ようというのです。置いておく時間は諸事情により前後しますが捕獲からおおよそ18時間。

ミンククジラなどほかの鯨の場合は捕獲したらすぐに捕鯨船の上に引き上げ、港に持っていったらそのまま解体しますから、和田のツチクジラの【放置】がいかに独特のものであるかわかっていただけると思います。

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この店の南蛮漬けは、そのなかでも特に柔らかく、ひと切れひと切れが大きい。噛むとじゅわっとうま味が口一杯に広がり、幸せな気分になれます。

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また「鯨ステーキ」(1,500円)もまた柔らかく、血なまぐささもありません。黙って食わせたら牛肉と間違えそうです。

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ご主人はもともとは寿司職人で、15年前にこのふるさとの地で開業したとのこと。鯨という食材を前に工夫に工夫を重ねてたどり着いた境地とも言うべきうまさです。

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この地域独自の、いわば鯨のジャーキーともいえる「鯨のたれ」も自家製。独自調合の調味液に3日間ひたしておいた鯨の肉を、半日ほど天日に干して作り上げるのですが、肉厚ながら柔らかく、ひと口ごとに滋味が広がります。

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もちろんもともと寿司職人ですから、魚もおいしいし寿司もおいしい。

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とりわけ、「ぜいたくロール」と名付けられた巻き物はぜひ食べてみてください。3~4切れと決して量は多くないのですが、その名の通り具だくさん。豊かな気分になれます。

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また、この店は魚料理はもちろんのこと、料理はなんでもおいしい。「アジたたき定食」(950円)、「アジなめろう定食」(850円)や「地魚サンガ(なめろうを焼いたもの)定食」(850円)などのお手頃な魚の定食のほかに、「生姜焼き定食」(850円)「とんかつ定食」(1,000円)などの洋食もあり、「たまには別のものを…」と頼んでみたら予想以上においしくてびっくりでした。

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とりわけ「とんかつ定食」(1,000円)は肉厚でジューシー。

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館山のあるとんかつ専門店で1,500円の定食を食ってその味に心底がっかり来ていただけに、この店のとんかつのうまさには感激しました。東京だと1,700円は取れそうなほどです。

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さらに「牛ロース定食」(1,300円)はそのまんまステーキ定食と呼んでいいほど。たっぷりの野菜の上でジュージュー音を立てる牛肉に、「ほんとに1,300円でいいの?」と思わず聞いてしまいそうになります。

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しかし、まずは至上の鯨料理、とくに「南蛮漬け」を食べてみてください。
鯨を昔、給食で食べた記憶がある人も、生まれてこのかた鯨を食べたことがない若い人も、間違いなく先入観が崩されますので。

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なお、この町でのツチクジラの漁期は夏。できれば夏のうちに行って食べるのがいいのですが、この店では夏に捕れたものにすぐ下味をつけて1年分冷凍保存していますから、1年を通して南蛮漬けなどおいしい鯨料理が食べられます。

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今年、日本はIWC(国際捕鯨員会)を脱退し、捕鯨を取り巻く環境も大きく変わろうとしています。
商業捕鯨が再開されたからといって一度細くなった食文化がそう簡単に復活するわけではないでしょう。しかし江戸時代から400年の歴史を受け継いぐ南房総の捕鯨の火を絶やさないように、私たちは食べて応援していくべきだと思います。

「笑福」(千葉和田浦・鯨料理)
https://tabelog.com/chiba/A1207/A120704/12018832/

みんみん(♂)とっておき!!支配人

福岡県生まれの九州男児。中学高校とブラスバンドに所属し、高校のブラスの先輩がタモリさんというのが数少ない自慢です。メディア関係の企業に就職し、転勤族だったため各地のおいしいお店を探して食べ歩きを始めたのがこのウェブサイトの原点。現在は、映像関係の会社を営んでいます。

店舗情報

店名 笑福(千葉和田浦・鯨料理)
ジャンル 和食, 鮮魚, 寿司, 郷土料理, 丼もの, 洋食, ニッポンの洋食
TEL 0470-47-5229
住所 千葉県南房総市和田町和田598-7
笑福(千葉和田浦・鯨料理)
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交通手段 内房線和田浦駅から徒歩10分
営業時間 11:00~14:00 17:00~22:00
定休日 木(夏季は不定休)

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