この味と品質の親子丼が1,000円というのは反則です。うますぎる。美しすぎる。
だって、同じものを新宿の高島屋で食べたら2,200円なのですから。
新宿御苑前にある高級料亭「玄海」。
正直、建物のくたびれ具合を見て、なめてました。
同じ建物の奥にもうひとつ入り口があって「げんかい食堂」というセカンドラインの店があり、ランチタイムに親子丼を1,000円で出しているのも、苦し紛れだと勝手に思っていました。
ところがそうじゃなかった。
1,000円の親子丼を食べてみてわかった。
廉価版ランチだろうと力を抜かずに、味と技を見せつけて客の底辺を広げ、“いつか大事な人との会食は「玄海」へ”という憧れを植え付けようというもの。壮大な【撒き餌作戦】だったのです。
きれいな黄色と白の渦をなすとろっとろの卵は水炊きのだしが効いていて、しょっぱさはないのに濃い味。
鶏肉はひとくち大と言うにはやや大きめで、これもまたぷりっぷり。下味がしっかり染み込ませてあっておいしい。
九州の流れをくむだけあって、つゆだくっぽいのですが、硬めに炊かれたご飯がしっかりと受け止めてます。三位一体、いや三味一体の素晴らしい調和です。
正直、私は親子丼よりもかつ丼が好きです。食べたぞー、という満足感がありますから。しかしこの親子丼に限っては、満足感はかつ丼より上かもしれません。量ではなく。
また、ついでに頼んだサイドメニューの「手ごねつくね」にも驚かされました。
ふわっとしてホロッと崩れる感じ。こんなに柔らかく握って焼くときに崩れないのか心配になるほどの柔らかさ。味も上品で、たれもあっさり。これで250円というのも破格だと思います。
いつも行列というのはこういうことだったのか。
別の日に11:30に行ってみたら、すでに満席。20分近く待たされました。
今回頼んだのは「あつあつ鶏飯」(1,000円)。
なんと石焼ビビンパのように、熱した石鍋にご飯や鶏肉・野菜などが入れられてきました。これに土瓶に入った水炊きスープをかけ、お茶碗によそって食べろと言うのです。なかなかユニークな鶏飯です。
最初に提供されるスープが少なく、全部入れてもサラサラとした感じにはなりませんが、スープは1回お代わりが可能。
お代わりして継ぎ足してやっとサラサラっと食べることができました。
一緒に頼んだ唐揚げ(250円)もパリッとしておいしく、サイドにはちょうどいい感じでしょう。
この「げんかい食堂」、夜は夜で「玄海」の看板料理「水炊き」を安く食べられるコースもあり、お得感炸裂。
50席くらいしかないようですから予約を取るのも至難の技でしょうが、ぜひ一度、仲良しと一緒に行ってみたいものです。
ここは必ず行くべし、そして親子丼を食うべし、です。
「げんかい食堂」(新宿御苑前・和食)
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130402/13034023/