【豊洲に移転しています】
とにかくこの店を仕切るジローさんの語学力に圧倒されます。
客が入るとまず日本語で話しかけ、反応ないと見るやマシンガンのように飛び出す英語・中国語・朝鮮語…。うまい下手ではなく、話すことに慣れているのです。
だから相手をたちまちのうちに巻き込んで、自分のペースに乗せていく。この話術は勉強になります。
「緑色の袋持ってたら田舎者だと思われるからねぇ。」
ときにブラックなジョークを交えて語られる築地の話。客は待ち時間も飽きることなく、また食べながらも笑いをこらえてあっという間に時間が過ぎていくのです。
築地場内・魚がし横丁8号館にある、うなぎの看板を掲げる「米花」。
しかし鰻だけの店ではありません。
築地で海鮮丼を食べるなら、ここか場外の「河岸頭」でしょうか。
値段ばっかり高くて肝心の魚は冷凍の質の低いもの、といった店が築地にはけっこうあると聞きます。私自身はすべての店に行ったわけではないのですが、ほぼ全店を制覇した築地の鉄人に言わせると、雑誌に載っていようとも、行列ができていようとも実際はそんな店だったりしますから始末が悪いと。
でも、ここなら大丈夫。
大きな海老や、四角い(立方体のような)マグロ、そのほか旬の魚介類がたっぷりと乗ってきます。その見た目にまず圧倒されますが、それぞれの具材もちゃんとしていて最後まで満足です。
ほかにも焼魚・煮魚もそれぞれ比替わりで定食があり、焼鳥丼も。
先日は銀だら(メロ)の西京焼きを食べましたが、西京焼きによくあるぺたぺた感がなく、身は柔らかくほっこり。焼き加減も寸止めといった感じの絶妙さ。やはり銀だらは塩鮭に並ぶ最強のご飯の友です。
行くとしたら狙い目は朝9時半。それより早くても遅くても築地は混みますが、この時間帯だけなぜかエアポケットのように空くことが多いのです。
そうした余裕のある時を狙って何度も通い続ければジローさんに気に入られ、ちょっとしたサービスをしてくれるかも。そんな期待を抱かせます。
実際、埼玉から毎日毎日ほぼ休まずにこの店に通い続け、朝ごはんをこの店で済ませてからまた埼玉に戻って仕事をしている、という人を知っていますが、そこまで惚れされる理由がわかるような気がします。
まさに稀有な店。一度は行っておくべき店です。
「米花」(築地場内・うなぎ/鮮魚)
https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131301/13024887/