おいしかったのは、ハンバーグです。
ナポリタンにハンバーグに味噌汁がつくという「ワクワクセット」(1,000円)。
セットの組み合わせは自由で、メインはほかにカレーやオムライスなどが選べ、サイドはポークジンジャー(生姜焼き)やソーセージにしゅうまいも。
この和洋中なんでもありのデタラメさがいかにも喫茶店メシって感じです。
この店は「孤独のグルメ(Season1)」第7話の舞台となった吉祥寺の喫茶店。
スタバ上陸以来、コーヒーを飲む店は全部カフェということになり、喫茶店という言葉はもはや死語になりました。しかしこの店はいまもどっこいしぶとく喫茶店として生きています。
っていうか、壁紙は茶色くすすけて店全体が時代に取り残された化石のよう。こんな店を見ると、古い親友に会えたようで嬉しくなってしまいます。
さて、ナポリタンとハンバーグという井之頭五郎と同じもので挑んだ今回。ハンバーグは密度が高くみっしりとした感じの肉の塊で、あまりつなぎが入っていないようす。
ほのかな血の匂いというか肉臭さがありますが、手作り感あふれるソースがたっぷりと包み込み、うまい具合に消してくれています。
サイドという位置付けなので小さいのですが、大きくしてくれたらこれだけで立派な定食のメインを張れます。
一方、ナポリタン。
真っ赤というか蛍光オレンジというかとにかく目を釘付けにするような色。
テレビで見たときはよく炒められていてパラパラっとした感じもあったのですが今回のは麺と麺の間にもケチャップが水掻きのように。
味も濃く、かなりずっしりというかどっぺりした感じになっています。
味はいいのです。ベーコンや玉ねぎやピーマンも効いてておいしい。ただ…。
本来ならハンバーグをおかずにしてナポリタンを食べるということになるのでしょうが、3口めで観念しました。
「ご飯ください」。
「孤独のグルメ」を見たとき、井之頭五郎がご飯を頼むのを見て、炭水化物に炭水化物ってどうよ?と笑ってましたがまさか自分がそうなろうとは。
「ナポリタンってのは、おかずにもなるんだよ。」
この井之頭五郎のセリフが頭のなかでグルグル回るのを感じながら、丼めし片手にどうにかナポリタンを片付けることができました。
あ、味噌汁はキャベツなどが入っててけっこうちゃんとおいしいものでした。
昔ながらの、というか昔のままの喫茶店のお得ランチセット。
コーヒーか紅茶がついて1,000円で、ソファーでゆっくりくつろげる。そう考えてみると、古き良き喫茶店にはこれからも頑張ってほしいものです。
「カヤシマ」(吉祥寺・喫茶店)
https://tabelog.com/tokyo/A1320/A132001/13040521/