ゆでたキャベツが山をなしている「旨辛スタミナラーメン」(900円)です。
まず最初に真っ赤なスープをひと口。
たしかに名前どおりの「旨辛」です。
漫画「孤独のグルメ2」の舞台となった、東京駅近くのガード下のラーメン屋。
入ってみるとその狭さに驚きます。
井之頭五郎はこの店で、博多ラーメンに缶詰と半ライス2つに替玉までしてギブアップしてましたが、私が選んだのは「旨辛スタミナラーメン」。
博多ラーメンにしなかったのは、福岡出身の私にとって博多ラーメンは要求水準が高く、がっかりしたくなかったから。辛いラーメンならカレーと一緒で大ハズレはなかろうとの読みです。
その読みを上回るうまさだったのですがしかし、この「旨辛スタミナラーメン」、ニラならともかくゆでキャベツを載せてなにがスタミナなのかちょっと理解に苦しみます。(胃腸にいいのはわかる)
実際にキャベツの山を掘ってみても、もやしは出てもニラやニンニクは出てきません。
そのキャベツの山に押しつぶされるようにしてスープの中に沈んでいるのは太麵。
唐辛子の粉をまとって引き出されてくるこの麺が、ちゃんぽん麺のようでかなりおいしいのです。噛むとプリっと切れる食感が楽しく、小麦の味もして。
真っ赤なスープには、細かく刻まれた玉ねぎがいいアクセントとなっていて辛さだけでない味わいを加えてくれています。
チャーシューは薄いものが1枚ですが、しっかりしたもので手抜きがありません。
キャベツだけでお腹いっぱいになって麺の前に力尽きる可能性があるとはいえ、全体としてきっちりと作られたいいラーメンだと言えるでしょう。
そしてもうひとつ注文したのが「ミニ高菜丼」(250円)。
ご飯の上にたっぷりと高菜の油炒めが乗り、青ねぎもたっぷり散らされています。
卓上にある激辛の辛子高菜とは違って、おいしい高菜です。
この店、博多ラーメンには本場と同じ極細のストレート麺、スタミナは太麺、東京ラーメンは手打ち縮れ麺と3種類を使い分けていますが、わずか16席しかない店でこのこだわりは凄いと思います。
正直、古いガード下の古くて暗くてきれいとは言えない場所の、絶対においしくなさそうなシチュエーションでありながら、真面目に作ったラーメンを提供してくれる店。
おばちゃんをはじめスタッフの実直な対応にも好感が持て、大手町に来たときには寄りたくなるような店。