日暮里を出たから次の駅か…あれ?スピード上げてるぞ。あれ?なんで?
「次は北千住、北千住〜」
おぉー、三河島には停まらないのか、この列車。
東北本線は快速でもちゃんと尾久駅に停まるというのにぃぃぃ。
ということで呆然と降り立った北千住。
ほんとは緑の麻婆豆腐を食べる予定だったのに…。
でも何があっても「これがいい」と思うことにしている私。とぼとぼと昭和の化石のような飲み屋街を歩いてたどり着いたのは一軒のタイ料理屋。
「孤独のグルメ Season2」第11話の舞台となった「ライカノ」です。
ここにはだいぶ前に訪れて、「イカのタイ味噌炒めご飯」などというメニューを食べたようですがすっかり忘れてしまっていました。
前回訪れたのは2013年。店は驚くほど何も変わっていませんでした。
今回頼んだのは「孤独のグルメ」に倣って「汁無し麺、鶏肉トッピング」。
それに「空芯菜の炒め」。
番組では「カイランの炒め」でしたが久々に空芯菜が食べたかったので。
そしてついついシンハも。
先に出てきた料理は汁なし麺でした。揚げを細長く切ったようなトッピングの下には褐色の細いストレートの麺。
もやしなどの野菜と一緒に混ぜると下から鶏肉が顔を出してきます。トッピングじゃないじゃん…。
よくかき混ぜたあとかぶりつくと、麺は輪ゴムのような歯ごたえ。しかしそれは一瞬のことで、ちゃんとした小麦の風味に醤油をベースにしたタレのうま味が口の中に広がります。辛さはなく、ただただうまい。
続いて出てきた空芯菜の炒め。1,300円もするだけあって量が多い。
食べきれるかしらん。残したらお持ち帰りとかできるかな…と考えながらひと口食べたら「うわ、うまいこれ」。
だしがとても効いていておいしい。
ところどころにある納豆のような豆の風味でしょうか。野菜だけなのに次々と口に運んでしまい、まさに箸が止まらない状態。山盛りの空芯菜はあっという間になくなってしまいました。
いやほんと、こんなにおいしい空芯菜は初めてかも。
そして残っていた汁なし麺を食べ終わり満足。タイ料理っておいしいけど何か薄っぺらい感覚がありましたが、ここのは濃厚でほんとにおいしかった。
ところで余談ですが「孤独のグルメ」で井之頭五郎の隣に座ってたちょっとスカした青年の役、「シン・ゴジラ」で主人公の長谷川博己さんだったんですね。気づきませんでした。
駅の大改造とともに丸井ができたりしてすっかり変わってしまったかに見える北千住。
しかし南に広がる飲み屋街はいまだに戦後の闇市の風情を残し、時が止まったかのよう。
私がかつて“発掘”した「シチュー屋」も健在でしたし、まだまだ面白い店はありそう。
ぜひみなさんも本場の味そのままのタイ料理を楽しむと同時に、迷路のような【ディープ北千住】をのぞいてみてください。
「ライカノ」(北千住・タイ料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132402/13003768/