「孤独のグルメ Season6」の第7話の舞台となった店ですが、渋谷で働いていた私はずっと前からときどき行っていました。
正直言うと、最初どうしてこの店が選ばれたのかいまいちわかりませんでした。
渋谷でちゃんぽんならもっとユニークで孤独のグルメっぽい店があったからです。
その店の名は「長崎」。
渋谷駅からけっこう歩いた住宅街の、脇道を登ったところにある古いマンションの1階。
のぼりがなければ店と気づかないほど地味でしたが、とんこつスープは臭くちゃんぽん&皿うどんは現地そのまま。
その「長崎」に比べたら「長崎飯店」は話題性に乏しいような気がしたのです。
もしかしたら番組は「長崎」に断られてこっちにしたのではないかとさえ思いました。
しかし、いま「長崎」なきあと、あらためて「長崎飯店」を訪れてみると、ここもしっかりしていることに気づきます。
私がよく食べてたのは、普通の「皿うどん」(900円)に対し300円も高い「特上皿うどん」。
具材が豪華なのはもちろん、普通のは注文が多いため見込み生産しておくのに対し、注文を受けてからの受注生産。確実に熱々を食べられるのです。
揚げられた超細麺もパリパリの食感がうれしく、具もいろんな種類が楽しめて嬉しくなってしまいます。
この皿うどんには通常のパリパリ麺のほかに「軟麺(やわめん)」というのを選ぶことができ、番組では井之頭五郎が最初に食べていました。
ちゃんぽん用の麺を皿うどんに転用したものですが、食べてみるとたしかにこれはこれでおいしい。(撮った写真が行方不明ですが)
ただ、やはりあのパリパリ麺の食感と、さらに餡がしみ込んでふにゃふにゃになっていく変化の楽しみには勝てないかな、と個人的には思います。
また「ちゃんぽん」もややあっさりで東京の人に合わせた感じはあるもののおいしい。
安っぽいピンク色のペラペラの蒲鉾は現地そのままで、なによりこれだけの野菜がてんこ盛りで900円というのもお得感満載です。
しかもランチタイムは半ライスサービスというのも嬉しい。(並のみ)
駅を中心とした再開発で大きく変わり、どんどん人の匂いがしなくなっていく渋谷にあって、昼なお薄暗い路地裏にひっそりとたたずむこの店。
ちゃんぽんと皿うどんだけは変わってほしくないものです。
「長崎飯店」(渋谷・中国料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13033880/