この店で「カツ丼」を食べたとき、ふと匂いが気になりました。
見た目当たり前の、卵でとじたカツ丼でおいしいのですが、普通は「だし」の香りがするところ、どうもケモノ臭を感じるのです。あれ?鼻がおかしくなったかなぁ…。
別の日に「ちゃんぽん」を頼んで、ああ、これだったのかと謎が解けました。そう、カツ丼を作るだしの代わりに豚骨スープが使われていたのです。
福岡の大衆食堂の面白いところは、そのほとんどにちゃんぽんがあるところ。しかもそれが本格的で、豚骨スープがほんとに臭かったりします。
この店のカツ丼がいつも豚骨スープで作られてるのか、それともたまたまその日だけだしの代わりに使ったのかはわかりません。でも、コクがあっておいしかったからいいのです。
福岡天神から南にふた駅と、都心に非常に近いのに思いっきり住宅地の平尾。西鉄平尾駅の改札を出て、かつてディーゼルカーが走っていた旧国鉄筑肥線跡の道路を越えた場所に、壮年夫婦が営む小さな大衆食堂があります。
ちゃんぽん550円、カツ丼700円、定食が500円から750円。すべてが懐かしい優しい味の家庭料理。
「チキン南蛮」はなぜか衣がついてたりします。
また、日替わりでタルタルソースなし版の「チキン南蛮(しょうゆ)」が登場したりとユニークだったりしますがどれも優しくておいしい。
オムライスは薄い玉子焼きでケチャップライスを包み、さらにケチャップドバッの昔ながらの博物館もの。
餃子もきちんとした手作りでおいしい。
実家に久しぶりに帰ったかのようなほっとする味が待っています。
実を言うとほんとは誰にも教えたくなかった店。いまも週一で通う店。興味があったらぜひ行ってみてください。
「鈴屋」(福岡平尾・大衆食堂)
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40022652/