とってもとっても甘いカレーです。
アンパンマンカレーより甘いかも。(食べたことないけど)
これまで食べたカレーのなかで最も甘いのではないかと思います。
ただ、同時に滋味深い味。具材がすべて溶け込んだカレーソース(ルー)はサラサラですが、たぶんたまねぎのシャリシャリした食感がかすかに残り、甘さの向こうにスパイスを含む複雑な風味が感じられ、慣れるとともにスプーンを持つ手が止まらなくなります。
このカレーがあるのは、カジュアルフレンチの店。福岡の郊外、西鉄二日市駅から3分の場所にある「グランデュール」という店です。ランチは1日1組限定。前日までの予約必須。シェフは一流ホテルで長年勤務したあと独立し開業—-。と、事前のネット情報ではこんな感じ。そんな凄い店がこんな田舎、いや郊外に本当にあるのか、経営が成り立つのかとこっちが心配になるような店。びびって近寄ることができませんでした。
ところが、ある夜に前を通りかかると店に繋がる階段のふもとに小さなホワイトボードが。
【お酒のみ デザートのみ お1人様予約なし OK!!】と書いてあります。
ほんと?予約なしのおひとり様いいの?何かのワナ?
好奇心に勝てず階段を登るとそこには想像を上回る広い空間がありました。待っていたのは40代とおぼしきシェフひとり。勝手に抱いていたイメージと違い、物腰柔らかく何でも尋ねられそう。聞くと、ランチの予約は必須だが、ひと組限定というのは個室のこと。夜は予約も不要でアラカルトもたくさん。実はこの店、知人からカレーがうまいと聞いていました。
しかしカジュアルといえどもフレンチの店でカレーだけ頼む勇気はさすがにありません。まず頼んだのはビール中瓶(720円)。そしてアラカルトから「真鯵と3種のナッツのタルタル」(800円)。
きたのは、缶詰をひっくり返して出したような円筒形の料理。中身は小さく刻んだアジの身と松の実などのナッツ。
これをオリーブオイルなどで和えたものですが、臭みのないアジの身に松の実の合うこと。ビールが進んでしょうがないですし白ワインでもカパカパいけそうです。量も多く、ふたりでつついても充分でしょう。
ビールがなくなってしまったので「カシスビア」(650円)を追加。そしてカレーです。
甘い甘いカレーですが手間がかかっているのは明らか。しかしこれ1杯750円なのです。驚きです。
ご飯はチンしたのかボソボソしてたのはまあ仕方ない。フレンチですから炊きたてをいつも用意というわけにはいかないでしょうし。
しかしまあ、甘さの向こうに垣間見える複雑な味と光る技。好奇心からでいいので一度食べてみてはいかがでしょうか。とにかく驚きます。
「グランディール」(福岡二日市・フランス料理)
https://tabelog.com/fukuoka/A4003/A400301/40056421/