たいしてうまくないのがわかってるのに、やっぱり頼んでしまう手羽先。
冷めてるしカチカチだし味は濃いし、いいとこまるでないのにガジガジしてしまう。しかし、餃子が焼き上がるまでの時間をつぶすにはほかに方法がないのです。快楽を手に入れるための忍耐、とでも言いましょうか。(なぜカネ払ってまで忍耐を…。)
ここ「旭軒」は博多駅のすぐ近く。博多口を出て正面を行ってすぐ右。
隣は「餃子の王将」です。餃子屋二軒並び。「餃子の王将」もよくまあこんな博多餃子の老舗の隣にやってきたものです。潰し合いをやってるかと思えば両方ともそこそこ繁盛してる。
まあ福岡の人間は餃子好き。餃子をわざわざ魚肉の練り物で巻いたおでん種「餃子巻き」も、福岡が発祥ではないかと思われますし。
店内はL字型の長いカウンターにテーブル席がたくさん。大きな店です。
メニューは焼き餃子・水餃子・手羽先に酢もつ・マカロニサラダ・キンピラの三種類の小鉢。あとはご飯と酒類だけ。それでも常に満席で行列もできるのはひとえに焼き餃子のうまさでしょう。
一人前10個の餃子は、博多伝統のひと口大。三角形の見た目がかわいい。中洲の「宝雲亭」がしっとりふわふわなのに対し、こちらはカリカリ。
餡はペースト状でしっとりとしてて、外のカリカリとの落差が楽しくてついまたひと口と放りこんでしまいます。
小鉢の酢もつは量多めでお得。
ビールは大瓶があるのがちょっと嬉しい。カウンターでは、スイスから来たという一人旅のお兄ちゃんに、隣に座ったおじちゃんが博多弁で話しかけ、盛り上がっていました。
そういう人懐っこさ、おおらかさはもう東京では見られません。ただひたすら餃子を口に放り込み、ビールで流し込む快楽。福岡ならではの夜を楽しんでいってください。
「旭軒」(福岡博多・餃子)
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400101/40000204/