入口横の表札が【仏】の一文字。

正式な店名も【虹の仏】。

いくら由緒あるお寺の前だからってカレー屋の名前としてはぶっ飛んでいます。

メニューは定番の「出汁カレー」と日替わりカレー、それにオムライス。お姉さんの説明では、出汁カレーは甘口。一方、日替わりのほうは辛口で「きょうは豚のホルモンですけどよろしいですか？」とのこと。えー。牛ホルモンならともかく、豚は臭いんじゃないの？出汁カレーのほうは定番だけあって評判高いものの、やっぱり甘口より辛口。覚悟して頼みました。

出てきた皿は、予想を超えて華やか。「混ぜてお召し上がりください」とのことですが、それぞれの味をやっぱり知りたいので、豚ホルモンをパクリ。くさっ。でもうまっ。

やはり豚の内臓の臭いが口に広がりますが、それも一瞬のこと。カレーの香りとともにうま味が追いかけ、臭みが気にならなくなってしまいます。

お米は古代米で赤っぽいのですが、うまく炊かれているせいかボソボソ感も硬さもなく、普通においしい。ついでに頼んだビールがまたうまいこと。

豆やオニオンや野菜のマリネやオレンジ色のでんぶのような粉やトマトが入ったサラサラのスープなど、いろんな味を混ぜて、理屈抜きに楽しみながら食べることができました。これまで「月曜スリランカカレー」など混ぜて食べるカレーは何度も経験しましたが、これはまた一風変わって楽しい。おいしい。病みつきになりそうです。

大阪というと、たこ焼きにお好み焼きにイカ焼きと、ソースまみれのようなイメージを抱いてきましたが（広島は実際にそう）、さすが大都市だけあって懐が深いというか料理の幅が広いのでしょう。大阪への先入観が覆されました。

若いとき、大阪への栄転が他人のせいでひっくり返ったことがありましたが、やはり大阪に行っておけばよかったと思いました。これからでも大阪に移住しようかな。そう思うほどこのカレーは衝撃的においしかった。お勧めです。（表札が「仏」は裏口だったからで大通り側は「虹の仏」と出ています）

「虹の仏」（大阪天王寺・カレー）
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