「このへんの店って、私が小さいときからあるんですよねぇ。すごい。」
小さいときからって、あんたまだ二十歳そこそこじゃん…。
この子に急に呼び出され、わざわざ恵比寿までやってきて食べたのは「浅利ラーメン」。
函館の塩ラーメンをベースに、大きめの殻付きアサリが10個も入って940円。
素の塩ラーメンが670円ですから、恵比寿にしては割とお得な価格設定ではないでしょうか。
スープは鶏ガラと野菜を大きな圧力鍋で短時間炊き込んで取ったものだそうで、あっさりとした味の澄んだスープ。
これに貝のちょっとえぐ味のある濃厚なうま味が重なり、やや複雑なおいしさとなっています。
麺は細くほぼストレート。やや黄色が強く、あまり小麦の味はしない感じ。
食券を渡す際に柔らかめと指定したのでかなり柔らかいものが出てきましたが、食べるうちに増えてくるかのよう。
もともと麺が多めなのでけっこう往生しました。
それ以外はかわいらしいナルトとほうれん草にメンマと白ねぎだけ。
一本、唐辛子が乗っていますが、これは風味というより彩りでしょうか。
とにかく自慢のスープを邪魔せずにすべてを食べてほしいといった感じの、優しい味の一杯です。
この店があるのは恵比寿のはずれ。
駅から白金方向、「まるきんラーメン」に向かう一直線の道の途中。
細長いビルに合わせて店内も一直線のカウンターのみ。シンプルです。
もうひとつ別盛りで頼んだのが「海老ワンタン」(250円)。
これが、エビがぷりぷりでおいしい。ビールのあてに最適でした。
連れが食べたのは「味噌つけ麺」と「キャベマヨ角煮めし」。
せっかく函館ラーメンの店に来てつけ麺なんか食べなくても…と思いますが、こんなのばっかりだからどの店もつけ麺を置かざるを得ないんでしょうね。
我々が入ったときは先客2人だったのが12:00すぎると同時に一斉に客が来て満席に。コロナ禍でもラーメン屋はどこも比較的健闘している方ではありますが、決して便利ではないこの場所でこの混み具合は優秀と言えるでしょう。
人によっては「黄金色」と表現する澄んだスープの滋味深いうま味。
これはぜひ一度経験しておいたほうがいいと思います。
「しお貫」(恵比寿・ラーメン)
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13092063/