「Qスペシャル」です。
ポークソテー、ハンバーグ、カニコロッケの豪華三種盛りに、ご飯と味噌汁がついて1,150円。
ご飯大盛りはサービスです。
熱々の鉄板に乗せられ、ジュージューという音ともうもうとした湯気と共に登場。以前よく行ってた高田馬場の「キッチン谷沢」のような古き良きグリルです。
ポークソテーはみっしりとした密度の高い肉で食べ応えあり。
ハンバーグはつなぎは少なめながらホッとするような味。
そしてカニコロッケは中がクリーム。鉄板と接してるので提供されても揚げたてのように熱々。口の中を火傷します。
全体を覆うデミグラスソースはほんのり苦味のある本格的なもの。
歴史を感じるのは店内だけでなく、味そのものも時の熟成を経ていました。
この店があるのは鶯谷。
ほんとは「鳥椿」に行こうと思ってたんですよ。「孤独のグルメ」の焼鳥屋。
若松河田での用事が終わったのが13:00。
これから移動してランチをするにはちょっと出遅れた感じ。しかも土曜の午後は開いてる店が少ない。
じゃあ以前から行きたいと思っていた「鶏椿」でメガ生ビールでも傾けながらアボカドメンチや鳥鍋めしでも、と思って鶯谷へ。
浅はかでした。きょうは土曜なのです。
店の前にも酔っ払いがあふれ、ひとりたりとも入る余地がありません。
空腹を抱え、まさに路頭に迷うことに。そうだ、ツタに押しつぶされそうな洋食の店は隣の日暮里。歩いて行ける。
そう決心し言問通りを北に歩き始めて2分。歩道になにやら看板が。
「レストランQ」。洋食屋のよう。これまで培ってきた勘と縁を信じて2階に上がります。
ドアを開いた瞬間、目に飛び込んできたのは散らかったカウンター。うわー、とんでもないところに来ちゃったぞ。
ただ、よく見ると酒瓶や雑誌が積み上げられているのはカウンターだけ。
店内のあらゆる壁にはメニューやら写真やら新聞の切り抜きやらが隙間なく張りつけられているものの不衛生なわけではなくひと安心。
ピシッと白衣に身を包んだ、やや高齢の女性が切り盛りしているようです。
壁には額に入れられたたくさんの人々の写真。どうやら常連客を募って旅行に行ったときのもののようで、愛されてる様子が伝わってきました。
さて、1,150円の「Qスペシャル」。
ポークソテーもハンバーグもそれぞれ立派な一人前。これにカニクリームコロッケがつき、ポテトと冷凍でない野菜が添えてあるのはかなりのお得。
平皿のご飯に味噌汁がつくところも立派なニッポンの洋食であり、文句のつけようもありません。
表札に誇らしげに書かれた「下町の味」をこれからもずっと守っていってほしいものです。
「レストランQ」(鶯谷・洋食)
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131104/13100015/