「孤独のグルメ」に出てきそうな、屋根も壁も蔦に覆われた店。

これが新宿駅のすぐそばにあるのですから驚きです。

しかも看板には「ばん焼」の文字。PANではなくBANってなによ?謎です。
店の角には道に面した焼き場があり、なにやら串に刺した肉を焼いています。
もしかしてこれが「ばん焼」?

期待に腹を膨らませ、重いドアを開いてみると、そこは時が止まっていました。
レンガの重厚な色の壁に囲まれた薄暗い空間。飴色に光るカウンターの奥には古ぼけた瓶と土産物らしき置物がびっしりと並ぶ棚。

そっか、ここは歌声喫茶だったのか…。
店名もロシア風の「ぼるが」だし。

しかしメニューを見た瞬間、その想像は打ち砕かれます。まったくの居酒屋メニュー。つまみもドリンクもほとんど500円均一。

メインは、やきとんと焼鳥でした。もつ焼き5本盛り合わせで500円。レバーをはじめ焼き加減がよくおいしい。

ひなどりは別格で1本200円ですが、2倍おいしいかと言われると微妙。つくねは2本で500円とさらに別格ですが見た目業務用という感じでさらに微妙。
で、「ばん焼」はどこ?メニューのどこを見てもありません。

あとで調べたのですが「ばん焼」のばんとは【鷭】という野鳥。ツル目クイナ科だそうでこれを昔、獲って食べてたとか。珍味だったそうです。
しかし養鶏の普及で鶏肉が簡単に手に入るようになり、市場からは消えてしまいました。それでも看板に掲げ続けるこの店にとっては特別な意味を持つのでしょう。たまには出してほしいものです。

ほかのメニューでおいしかったのが「ねぎぬた」。柔らかすぎず筋張らず、いい茹で加減のネギに絶妙な甘辛さの酢味噌が効いています。量は多くないけれどもこれで500円は安い。
隣の客が頼んでたアジフライも美味しそうでどうやら通常の居酒屋メニューのほうが充実しているのかもしれません。

飲み物ではトマトサワーが適度な濃さでおいしく、これなら身体に優しそう。
カウンターでのひとり飲みもできますしまたふらっと訪れて居酒屋メニューを制覇したくなりました。

新宿西口の思い出横丁から小滝橋通りを挟んで西側の一角。ここもまた闇市時代の流れをくむ古きよき酒場が残っています。
ここもその一軒として、ひとりでふらっと立ち寄れるようになったら、いい形で年齢を重ねた格好いい大人の男、と言えるのかもしれませんね。
「ぼるが」(新宿西口・居酒屋)
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13000753/











