「新座は大学がいっぱいあるから女子大生がたくさんいますよ」。
知人のこの言葉にわくわくしながら昼すぎの新座駅に降りたったら、ひとっこひとりいませんでした。呆然。
武蔵境に行く用事があり、せっかく遠くに来たからには誰かに会って帰りたい。
そういえば昔、前職の仕事でお世話になった方が清瀬のはずれにお住まいで、調べてみると新座駅と清瀬駅の中間あたり。どっちからもバスで15分ほど。
ならばと冒頭の言葉を信じ、わざわざ遠回りして初めて新座に降り立ったというのに…。
しょうがない。ランチでも食うか。
調べると、古き良き洋食屋があるといいます。
評価の高いラーメン屋との間で悩みましたが、【ニッポンの洋食応援団】としては通りすぎるわけにはいきません。
駅から歩いて5分ほど。国道沿いにあるその店は凝ったデザインの建物です。
看板は「馬」の字が反転していて「ひだりうま」と読ませるとのこと。縁起がいい名前だそうで、新宿三丁目にも同じ名前のジャズの店があります。
選んだのはランチの「しょうが焼き定食」なんと670円です。やすっ!
実は安すぎて頼むのを躊躇しました。日替わりのチキンソテーも640円。大丈夫か?
一方でグランドメニューは意外に高い。
「ハンバーグステーキセット」が1,150円。調べたときからこれにしようと思ってたら「きょうはありません」。
それ以外は「ポークソテーセット」が1,660円、「チキンカツセット」が1,400円といった感じでランチとの差が大きすぎます。
初めての店でハズした時の心理的ダメージを考え、結局弱気になってしまいました。
いったいどんな料理が出てくるんだろう…。
出てきた皿をひと目見て驚きました。「うわっ、タマネギだらけ」。
山盛りのキャベツのほかに見えるのは飴色をしたタマネギ。うわー騙されたか?
しかしそれは一瞬だけでした。
下には薄いながらもロース肉が3枚。量は多くないものの質の高さがわかります。
食べてみると甘すぎずしょっぱすぎず生姜の風味も効いた絶妙の味付け。そう、これが理想のしょうが焼きです。
残ったタレに浸して食べる千切りキャベツのまたおいしいこと。
あまりに安いのでせめてご飯を多めにと150円もかけて大盛りにしておいたのが余ることもありませんでした。
いやあここはいいわ。ご主人の腕は間違いない。
まあ郊外価格とはいえ、毎日この値段でランチが食べられる新座の人々が羨ましく思うのでした。
こんどはグランドメニューを食べに来よう。女子大生でにぎわう時間に。
「馬(ひだりうま)」(新座・洋食)
https://tabelog.com/saitama/A1103/A110301/11013886/