いま、桜丘町の象徴・桜坂が変わろうとしています。
歩道が拡幅され、内側1mくらいガードレールが押しやられたため、桜並木の内側に人が歩けるスペースができました。
これによって、これまで車でしか通れなかった桜のトンネルを、人もくぐれるようになったのです。来春の桜が楽しみになりました。
…ただ、このスペースにゴザを敷いて宴会をする強者が出そうな気もしますが。
その桜坂の中ほどを左に15mほど入った場所のビルの地下2階にある、このもつ鍋の店。
ランチタイムの「もつめんちゃんこ定食」は、もつ鍋をシメのちゃんぽん麺までいっぺんに盛り付けたような一品。ボリュームたっぷりで、ご飯はもういらないくらいのサービス品となっています。
スープの味は醤油と味噌の日替わりで、私が食べた日は醤油だったのですが、甘さ少し控えめで鴨鍋のだしのようなスープはなかなかおいしく、くどさがありません。
もつは少々硬くて歯の間に挟まるような傾向はありますが、ぷりっとしていて甘みとうま味があります。腸のほかにレバーのような食感の部位があるのはもつ鍋としては初めての経験で、もしレバー嫌いでなければ意外な味覚が楽しめていいでしょう。
ただ不思議なのは、キャベツとニラがほとんど生のまま出てくること。写真撮影のためならわかりますが、鍋なのに野菜に火が通ってないというのは不思議。まだ熱い鍋のスープに自分で押し込むことでしんなりとはしましたが、ちょっと釈然としない感じです。
鍋のほかには、サニーレタス数枚のサラダと漬物、ちょっとマヨネーズ多めのポテトサラダが付き、ボリュームは満点。サイドメニューの質(味)は改善の余地があるものの、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
一方、別の日に食べた「スタミナ定食」。
これももつを主体とした料理なのですが、ここで言うスタミナは、食べた客にスタミナがつくという意味ではなく、客の顎にスタミナが要求されるというものかと疑いたくなってしまいます。とにかく硬すぎです。
丸腸と言って、腸を開かずにそのまま輪切りにしたものを野菜とともに辛いみそ味で炒めたものですが、輪切りの長さが5㎝以上あったりするため、いくら噛んでも噛み切れず、飲み込むことができません。一片につき3~4分延々と噛み続け、噛み切れないままで飲み込むことを強いられますから、顎にかなりの負担がかかってしまいます。
味付けは博多の辛い料理の名店「多聞」を彷彿とさせるいいものではありましたが、とにかく疲れました。
大人になってからまったく虫歯になったことがなく、母譲りの丈夫な歯に日々感謝の私でもそうですから、少しでも歯に不安があるひとは頼むべきではないメニューと言えるでしょう。
ランチメニューのもつの硬さは問題なものの、全体の味付けなどは九州の味をしっかり受け継いだ 上で少し洗練させた感じ。
夜はまた夜でおいしいもつ鍋を出してくれることでしょう。
「銀座ほんじん」(渋谷・もつ鍋)
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13058130/