【豊洲に移転しています】
カレーがこぼれてます。
写真は、オムレツカレー。
多めのご飯に覆いかぶさるように巨大なオムレツが鎮座するため、
もはや居場所を失ったカレーが逃げていくかのよう。
客は、こぼれ落ちようとするカレーを慌ててスプーンですくい
取っては“地上”に戻すのです。
オムレツはふかふかでほんのり甘くて具もしっかり。
カレーがかかっているために、どこまでがご飯でどこまでがカレーか
判別しにくいので、ペース配分には細心の注意が必要です。
カレー専門店ではなく、いわゆる洋食屋のカレーですから、味付けは
甘め。野菜も肉も融け込んだ、万人向けの味つけと言えるでしょうか。
豊洲への移転まで1年を切り、観光客でますます混雑が激しくなって
きた築地市場の魚がし横丁。
寿司屋などは行列を見ない日がないくらいになり、6号館や8号館の
前の道は土曜日は歩けないほど。
こうした阿鼻叫喚の場内にあって、少し離れた1号館はまだ余裕が
あります。
BSEのときにも牛丼を提供し続けたことで有名となった吉野家の
1号店をはじめ、こちらは鮮魚よりもリーズナブルな日常食の店が
多く、まだ市場で働く人々の食事を垣間見られる場所です。
その1号館で、お手頃価格の洋食を出す店がここ。
場内の店ではありますが、開店は午前10時。
しかし10時ちょうどに開いているのを見たことがありません。
10分や15分遅れてシャッターが上がることは度々で、何度も
待っては一番客になってしまいました。
ただ昼となれば一転し、市場の仕事を終えた人々や近くの企業に
勤めるサラリーマンでにぎわうのです。
冬のお勧めはカキフライライス。
800円のお手頃価格ながらちゃんとした大きさの牡蠣が5個もあり、
ご飯とみそ汁がついてきます。
また、アジフライライスはアジが大きく、安定の味。
豚のしょうが焼きライスはなんと600円ながら肉がたっぷりついて
きますから文句のつけようがありません。
揚げ物がメインの店で、ほかにトンカツやエビフライなども手ごろな
値段で提供していますが、メンチカツはあまり納得がいきませんでした。
いわゆるメンチカツのイメージにある饅頭型ではなく、タイヤマンが
車に轢かれたようないびつな形。
味もエグ味というか苦味がありました。
まあたまたまのでしょうからあまり気にしてはいませんが。
ステンレスで作られたカウンターは清潔そのものといった感じですが、
その上には普通の店ではお冷が入っているはずのプラスチック製の
把手つきポットには濃い色の液体が。
最初、紅茶でも入っているのかと思ったらなんとソースでした。
この店のソースの消費量おそるべしです。
混雑する場内市場にあって、安定した味のお手頃価格の洋食を
提供し続ける店。
10時開店と、いわゆる市場巡りの時間とはちょっとずれますが、
買い物帰りやちょっと近くに行ったときなどにふらっと寄れる
いい店だと言えるでしょう。
「禄明軒」(築地場内・洋食)
https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131301/13058634/