焼鳥屋の締めとして評判の中華そばは、なんと「くじら軒」そのものでした。
20年くらい前に横浜・港北に登場した「くじら軒」。
店で修行したこともなく、脱サラで我流だったご主人が作るラーメンは、そのまろやかで薄い醤油味が絶大な人気となりました。宅地造成途中の荒野にある一軒家に何十mもの行列ができ、2時間3時間待ってなおありがたがって食べたもの
です。
私にとってもこの不思議なまろやかさを持つスープは好みのど真ん中。よく女性を連れて食べに行ったものです。
その、「くじら軒」のラーメンが福岡の住宅地にある焼鳥屋で食べられるのです。驚かずにいられません。
厳密に言えばわずかに酸味が強く、油に由来するまろやかさも少なめ。しかし丼のデザインまでそっくりというのは絶対に何かあります。
麺は平麺のびろびろ縮れた感じ。これがスープをまとっておいしい。この「ほぼくじら軒」を食べるためだけに訪れてもいいほどです。
しかし焼鳥もめちゃくちゃうまい。
福岡の焼鳥屋では必須の豚バラは、ここで脂をしたたらせながら出てきます。
肉厚で火の通りがギリギリで、福岡標準の焼きすぎで脂の抜けきったカラカラガジガジとは別物です。
またボンジリが驚きの硬さ。普通ボンジリは脂の塊でぷにぷにしてるものですが、これはガシッ。
地鶏だそうですが、お尻の先まで鍛え抜かれています。うまい。
そのほか豚つくね、ダルム(直腸)、シロ(大腸)、皮、豚足などひと通り食べましたが福岡の水準をはるかに凌駕するうまさ。これまでのNo.1です。
卓上の唐辛子まで香り高くて驚きます。そのうえで「ほぼくじら軒」まで食べられるのですから天国です。
場所は西鉄大牟田駅の薬院駅と平尾駅のちょうど中間。
今回はひとりだったので予約なしでも隙間に入ることができましたが、あとから来たふたり組は断られていましたから予約は必須のようです。
感動するほどのおいしさ。ぜひ一度、行ってみてください。
「炭焼酒場 山串」(福岡薬院・焼鳥/ラーメン)
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40057420/