福岡で最も軽く、うまい天ぷらです。たぶん。
訪問2回目で食べた上天丼(1,780円)は天ぷらが山のよう。
エビ2本、かき揚げ、椎茸2つ、鰯(?)、大根2切れ、ゆで卵、梅干しとユニークですが、どれもサックサクの軽い衣に包まれておいしいこと。
とくに大根の天ぷらがほこほこしゃくしゃくでこんなにおいしいとは。目から鱗の天ぷらです。
「天ぷらは南に行くほど重くなる」は私が勝手に作った法則ですが、その通り東京のサクッと軽い天ぷらに対し福岡のはボテっ。沖縄になるとボッテボテの衣の塊となってアメリカンドッグじゃないかというほど。
福岡ではサツマイモの天ぷらなどはウスターソースをかけて食べるなど、そもそも天ぷらなのか怪しい部分もありました。
最近は天ぷら専門チェーンの台頭などで福岡でもやや軽くはなりましたが、それでも東京・築地の店などとの違いは歴然。あの軽さが懐かしくなっていました。
そんなときふらりと立ち寄ったこの店。福岡の都心から2つめの西鉄平尾という駅の近くに、去年(2021年)6月に開店したばかりで、もちろん内装はぴっかぴか。
6人ほどのカウンターに4人用の卓が3つの小さな店で、男の調理人ふたりで切り盛りしています。
最初の訪問ではアラカルトで選びましたが、感動するほどおいしかったのはメヒカリ。福島産というメヒカリは中がふわっとしてほくほく。うま味が湯気とともに口のなかを満たすようで、小さな1匹が与えてくれる幸福感は半端ではありません。
エビは衣が薄いだけに細さが目立ってしまいますが、プリっとして新鮮。なかなかいいエビです。
ささみ大葉は、薄く切った鶏肉に紫蘇の葉を巻いたもの。さっぱりしていていい。
梅干しの天ぷらは、ふわっとした果肉の歯触りが来て、次に甘酸っぱい味と香りが噴き出すように口じゅうに。衣をつけて油で熱するからこそ出てくる味なのでしょう。これもぜひ食べてみるべきでしょう。
まずは「天ぷらおまかせ5種」(1,200円)を頼み、そのあと本日のおすすめを中心にいろいろ食べてみるのがお勧め
です。
そうそう、最初に頼んだ「活〆対馬産 炙り穴子刺し」(780円)もおいしかったのでぜひ。
寂しい駅を降り、何もない街を歩いた場所にある小さな店ですが、ここまで足を運ぶ価値はあると断言します。
機会があれば、ぜひ行ってみてください。
「天ぷら なすび」(福岡平尾・天ぷら)
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40057547/