お、日替わりに「孤独のグルメ」に出た「銀だら西京焼」があるじゃないか。
だったらこれに、井之頭五郎が「ウホウホだぁぁ」と狂喜乱舞した「えんがわポン酢」をつけてちょっと豪華にしてみようか。
…と思ったら、店内のお品書きは撤去され、頼めるのは日替わり定食のみ。「銀だら西京焼」と「金目鯛の煮付け」との二者択一でした。
コロナ第4波による緊急事態宣言のため夜の営業がとりやめ。夜の営業が前提のたくさんの単品料理を準備する必要がなくなったため、昼は完全に日替わり定食専門になってしまったのです。
店内はカウンターと四畳半ほどの小上がり。
8年前に「孤独のグルメ Season3」第4話に出たときと寸分も変わってない気がします。
カウンター席の間にアクリル板がなかったりするのですが、間隔はやや広め。客が入れ替わるたびに女将が鬼気迫る雰囲気で消毒をしていますから細心の注意を払っているのでしょう。
さて、注文から10分ほどたってやってきた「銀だら西京焼定食」(940円)。
普通の大きさの切り身に、もうひとつ切り身の一部が添えられています。隣の人の定食を見たら切り身はひとつだけ。しかし私のより分厚い。つまり大きさを公平にするために加えたもののようです。
さっそく口に運ぶと、ふわっとした食感と同時にうま味が。甘い味噌の味との相乗効果で口いっぱいに広がります。銀だらってなんでこんなにおいしいんだろ…。
浦安の「羅甸」でも同じことを思ったのですが、向こうは醤油がメインの真っ黒け。しかし甲乙つけがたいうまさです。
銀だらを食べる嬉しさは、白身が一枚一枚めくれるところ。この一枚一枚を愛おしむように口に入れてはその後を追うように白い飯をかきこんで、頬を膨らませて食べるひとときこそ至福です。
銀だらに寄り添う玉子焼きはやや甘め。昆布の煮物も味が濃いめで、白菜などの漬物は自家製でしょうか、水分が多いもののおいしい。
まあしかし、おいしい魚の定食は、魚があればあとは白い飯だけあればいいようなもの。バクバクいけばそれで幸せなのです。
ほかにもいろいろ食べたかったものの、この銀だらのうまさですべてがわかりました。
また平穏な日々が戻ってきたら、ここで「おつまみセット」に「えんがわポン酢」で楽しく愉快に飲みたいものですね。
「魚谷」(江戸川橋・鮮魚料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13091985/