「孤独のグルメ Season5」第8話に出たときに1,200円だった「九絵定食」がいま1,700円。
放送直後に行った記憶があるものの、写真が見当たらないので掲載を見送ってきましたが、それにしても5年間でずいぶん高くなったなぁとは思います。
ただ、それでもこの質と量で1,700円ならばコストパフォーマンスは高いと思います。まあ、以前が安すぎたと。
なにしろ、噛み切れないほどの厚みの刺身。しかもサバからマグロ、ブリに、頭がついたエビまでずらっと並ぶ姿は壮観。
漁師料理を自称するだけあって豪快ですが、白身でほんとに噛み切れずそのまま飲み込まざるを得なかったものがありましたからまあ賛否あると思います。
それぞれの魚も新鮮さが伝わってきますが、質そのものは無理をしてない感じでマグロには筋があったりするものの、食べておいしいものを選んでるなという印象を受けました。
この店があるのは、大岡山。
かつて “あってもなくてもどうでもい~い♪”と歌われた旧目蒲線が名前を替えた目黒線と、大井町線とがクロスする場所で、東工大のお膝元です。
その駅前のロータリーの反対側を右に入る細い路地を行ってすぐの場所にある、親子3人で切り盛りする小さな店。
今回頼んだのはこの九絵定食のなめろうつき(2,000円)。
女性の握り拳ほどの大きさのなめろうは淡白な味。アジではなさそうです。
番組では別メニューに「なめろう冷や茶漬け」があり、カツオで作ったなめろうをご飯の上に乗せて氷入りの味噌汁をかけていました。それも食べたかったんですが、さすがに九絵定食食って茶漬けも食べるというのは常人の私には無理でした。
そして九絵定食のもうひとつの主役・煮魚はマグロのカマ。
一見、巨大な骨ばかりで身がなさそうですが、ほじくれば出るわ出るわうまい身が。これだけでサバの半身ほどの食べ甲斐がありました。また、味付けもあっさりで身の味がよくわかり飽きることがありませんでした。
刺身と煮物、それぞれ単体でおかずとして充分な量があるというのに、さらにアラがたっぷり入った味噌汁に前菜まで。
玉子焼きも自家製できんぴらもしっかりしててうまい。文句のつけようがあり
ません。
もちろん1,700円とか2,000円は、ランチとしては高めですが、その金額を上回る質と量がありました。
「この店の名前は、クエという魚の名に “俺の料理を食え” という意味も入ってるんだよね」と女性客に語っていたご主人。
高井戸の「EAT」の老シェフが語っていた店名の由来と奇しくも一緒でしたが、その心意気でこれからも頑張ってほしいものです。
「九絵」(大岡山・鮮魚料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131711/13040797/