「うそだろ。なんですかこの店は!?」
漫画「孤独のグルメ2」第12話の舞台となった店「ニューマルヤ」は、井之頭五郎が呟いた言葉そのままに、見る者の目を釘付けにします。
のしかかるという表現がぴったりの蔦、ツタ、つた。
当初は古い建物の外観を隠そうとして蔦を這わせたのではないかと思いますが、ここまで覆い尽くすとよけいに奇っ怪に。知らなければ絶対に入れない雰囲気となっています。
店内も真っ赤な椅子が並びレトロ。
ただ、椅子一脚たりとも破れておらず、壁紙もきれいに貼りなおしてあります。
広々として整然として清潔感があり、きちんとした美学を感じます。
平日の正午すぎに着いたとき、先客はいませんでしたが、どうやら儲かってないというわけではなさそうです。
注文したのは「ハンバーグステーキインペリアル」と「オムライス」。
驚いたのは「オムライス」のうまさでした。
とっても薄い玉子焼きをスプーンで破ると現れるライスは、非常に色が薄い。
よくあるオムライスはショッキングともいうべきキツいオレンジ色で、味もケチャップまみれで食べてる途中に辟易するようなものが多いのですが、このオムライスの中身はほのかなサーモンピンクで薄味。
具は小さく刻まれたハムと玉ねぎで一見しょぼく見えるのですが、このハムが小さいながらいい味を出していて飽きることがない。
そうか、こんなオムライスがあったのかという驚きと感動を味わいました。
そして「ハンバーグステーキインペリアル」。
何がインペリアルなのかというと、目玉焼きが乗っていること。
普通のハンバーグが700円のところインペリアルだと750円ですから「imperial=最高権威の」ハンバーグが50円というのはあり得ないほどお得ではないでしょうか。
実際、目玉焼きの焼き加減は完璧。
そしてちょっと焦げた感じの味ではありますが、ハンバーグ自体もふんわり柔らかく、肉と玉ねぎも調和してておいしい。
ライス別ですが、これで750円なら安いと思います。
他のメニューも食べてみたくなりました。
支払いのとき、ご主人にオムライスが薄味でおいしかった旨を話したところ、「食べ飽きないからね」とはにかむように喜んでくれました。
この店の異様な外観から先入観を持ち、それに引きずられたまま低い評価を下す人が多いようですが、先に書いたように店内は清潔で料理もしっかりしています。
ぜひみなさん自身の目と舌で、この店の実力を感じ取ってみてください。
私としては絶対のお勧めです。
「ニューマルヤ」(日暮里・洋食)
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131105/13053989/