地元住民としては異常な行列にまず嫌悪感を抱き、その汚物的ルックスに恐怖感を覚え、なかなか近づくことができませんでしたが、底知れぬ食欲を持つ若者に連れられ、ようやくその門をくぐることができました。

 

 

食べたのは「黒毛和牛ローストビーフ丼」の大盛り(1,900円)。
レギュラーメニューの「ローストビーフ丼」大盛りが1,150円なのに対し2倍近い高価格メニュー。外国産の牛がどうしても信用できなかったのです。

連れは、私のおごりということで無理やり食わせる「ワンポンドステーキ丼」(2,300円)。1ポンド＝450gもの肉がのしかかっているという恐怖のメニューです。

さてさて実物はどんなものなのか。

カウンターの上にどかっと置かれたのは予想よりひとまわり以上小さいものでした。

三升ものご飯を無理矢理食わせる日光の奇祭・強飯式(ごうはんしき)を想像していた身からするとやや拍子抜け。なんだこれしき。

一方で、連れのワンポンドステーキ丼は壮絶でした。

でかい黒光りするステーキが二段重ね。
そのルックスはザ・汚物。
自分じゃなくてよかった…。

さっそくローストビーフとの格闘が始まり、山の周囲に貼り付いた薄い肉をぺらっと剥いで口に入れます。

うまい。びっくり。やわらかい。
ちゃんと肉の味がします。しっとり。
これはうまい。

予想通り、山のほとんどはご飯でしたが、周囲の肉の層は二重。たっぷりあります。
なにより醤油ベースのタレがいい。

連れのワンポンドステーキ丼もちょっと分けてもらいましたが、これもやわらか。
やや筋っぽい部分があり、噛みきれないこともありましたが及第点です。

見た目の汚物感と、がきんちょの大行列から一方的に「質より量」の店だと決めつけていましたが、とんでもないことでした。

かつてローストビーフといえばホテルの立食パーティーの目玉として、コックがうやうやしく切るのを並んで待ってました。

それだけ昔、牛肉が高くまたローストビーフの調理には技術と経験が必要だったのです。

ところが真空調理(低温調理)の普及が、ローストビーフをこうやって身近なものにした、と言えるのでしょう。

高価格メニューを食べただけの感想ではありますが、ここはまた行きたい。
そう思える店でした。

 

「レッドロック」（肉料理・ 高田馬場）
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13172881/