このハラミステーキの超絶的なおいしさったらありません。
いろんな大きさの牛のハラミが乗ったバットを主人が出してきて、客が選んだものを焼いてくれるのですが、表面はこんがりパリッとしていながら内部は肉汁がしたたり噛んでも柔らか。
塩も絶妙で、用意されたマスタードと醤油との組み合わせも思わずうなるほどのおいしさです。
この水準のものがまさか立ち呑みで、しかもやきとんの店で提供されるとは誰も夢にも思わないことでしょう。
この店があるのは恵比寿。
西口を出て通りを渡ってひとつめの角を右に曲がると、ビルの陰になんと無人の農産物直売所が。
お金を箱に入れて、野菜を持っていっていいというあれです。
都会の真ん中とは思えない光景に驚きながら先に行った場所の赤ちょうちんと縄のれんの店がそれ。
今回私が入ったのは19時半だったのですが、なんと先客ひとりでした。
すごい人気店で、普段ならこの時間は押し合いへし合いの大混雑なのですが、コロナ禍で「密」が避けられているのでしょうか。のちに徐々に客が増え、私の連れも含めて8人になりましたが、それでもなんかさみしくてもったいない風景です。
メインメニューのやきとんもまたどれも新鮮でおいしい。
とくに驚くのはレバー。
表面だけ軽く炙った状態で、内部はほぼ生に見えますが、ふわっと柔らかく噛めばうま味が口のなかにあふれてきます。臭みがまったくない。
豚のレバーは牛と違って独特の臭みというかアンモニアのような臭気があり、それが口に入れる際に抵抗を感じていたのですが、その臭気が一切なし。まるで牛のレバ刺しのようです。
主人に言わせると「本当に新鮮なレバーは臭みがないんですよ」と。
ほかにもタン下、ガツ、カシラなども食べましたがどれも臭みがなく、これまで感じたことのないうま味を堪能することができました。
また、ハツ刺しも勧められるままに注文しましたが、ショッキングピンクと言っていいほどの美しさ。細かく刻まれて歯ごたえも適度であっという間に平らげてしまいました。
そうそう、きゅうり1本に味噌をつけて食べるのも相当おいしいですからぜひ。
やきとん自体は180円からあり、これを中心に飲めば安く上がるのですがやはりぜひともハラミステーキを食べてほしい。
ただ突出して高いので、うかつに大きなものを選んでお勘定でびっくり、ということのないように気をつけてください。
とにかくハラミステーキは必ず食べるべき一品です。ぜひ一度。
「縄のれん」(恵比寿・やきとん)
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13007484/