「うまいは甘い」。
北大路魯山人のこの言葉を、インド料理を食べて再認識するとは。
ゴルゴンゾーラクルチャ。
インドのピザと称されるクルチャの中身にゴルゴンゾーラチーズを入れ、蜂蜜を加えたものですが、これが衝撃的にうまいのです。これだけでビールが飲めますし、完全食といった感じ。
ただ、これがけっこう腹にたまる。
今回、レコードのEP盤くらいの大きさのものをふたりで分けたのですが、のちのち胃の中で膨張し、最後のカレーまでたどり着けませんでした。
インド料理屋に来てカレーを食べずに帰るというのもなかなか痛恨事です。
この店があるのは木場。
「孤独のグルメ Season4」の第6話で出てきた店ですが、たしかにうまい。
シェフは代わっているようですが、店は何も変わらず。
孤独のグルメに出たことで散々儲かっただろうに、店の軒先の店名も白いペンキでの手書きなのもそのままで結構チープ。なにかこだわりがあるんでしょうか。
タンドールバルの名の通り、タンドール窯を使った料理がメイン。
最初に食べたのが「ラムミックス」で2種類の味の羊肉が2ピースずつですがどちらも甲乙つけがたいうまさ。添えられたミントのペーストもまたいいアクセントとなっています。
エビのタンドール焼きを頼んだはずが間違えてタンドーリチキンミックスが来て仕方なく食べたのですが、これもしっとりしていて美味でした。
一方で、前菜のおすすめとあった「エビと茄子の卵とじ」は卵っぽくなく全体にカニミソ和えといった感じですが、まとまりがよくおいしい。
最後に、カレーは無理でもせめてスパイシーなスープをと頼んだのが「ラッサム」。
これが複雑ななかにトマトがベースのようでケチャップっぽい感じもあります。タマリンドの酸味と甘みが独特で、カレーリーフというスパイスが不思議な香ばしさを加えているそうです。これはうまい。
現地ではご飯にかけてお茶漬け風に食べるそうですが、もはや我々にはその余地が残っておらず残念でした。
料理がこうしたバリバリのインド料理である一方、飲み物に関しては創作っぽいものを含めて多種多様。
ハートランドビールをジョッキで出す店は初めてでしたが、特にユニークだったのは「生巨峰ラッシーハイ」。
すっきりした甘さのラッシーに巨峰の甘酸っぱさが絶妙。
しかも底の方には皮をむいた巨峰の粒がゴロゴロしています。これはおいしかった。女性に好かれる味だと思います。
カレーにまでたどり着けずに店をあとにしたことは痛恨でしたが、食べたものすべてがおいしく、心から楽しむことができました。
ぜひみなさんもこの店のスパイスの魅惑を体験してみてください。必ずハマると思いますので。激しくおすすめします。
「タンドールバル カマルプール」(木場・インド料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131303/13128960/