9月下旬の4連休、東京都の卸売市場の営業は変則的でした。
基本的に祝日は閉場ですが、敬老の日だった21日(月)は青果市場が臨時開場し、翌日の秋分の日は鮮魚市場が臨時開場。
ということは青果の淀橋市場は、21日はやってる。
ならば市場内の伊勢屋食堂に、月曜限定というカレーライスを食べに行こう。
着いたのは午前10時前。
ところがなんと。
伊勢屋食堂のシャッターが下りてる。
あ、そういえば最初に行った日にもらった営業日のカレンダー、日曜から水曜まで赤くなってた…。
呆然とし、さまよう視線の先にふと赤いのれんが。そうだ、もう一軒だけ飲食店があったんだ。
そこはラーメン屋でした。
壁のメニューは麺類だけ。餃子もチャーハンも一切なしの潔い店です。
そうだ、カレーを食べに来たんだ。迷わず注文、中盛り・ゆで卵つきで。
出てきたのはたっぷりのカレーソース(ルー)がかかった大きなお皿。
口にするとやや粉っぽい。
しかし溶け込んだ具のうま味が複雑にからみあってなかなかうまいし充分に辛い。近所の幼なじみの家でごちそうになっているかのような味。
ややサラサラのカレーソースがたっぷりあるので、ご飯はすべて黄色に浸して食べられます。サービスよし。
基本550円に中盛りプラス50円とゆで卵50円で計650円。
値段からすると文句のつけようはなく充分に満足行くものでした。
やっぱりラーメン屋ではラーメンを食べるべきだったか…。そして出直してきた連休明け。伊勢屋食堂には目もくれず、この店に一直線。
そんなにしょっちゅうは来られないので、あれもこれも乗せてしまいます。出てきたのは、見た目小さいけれど分厚いチャーシューがたくさん乗ったもの。
ワンタンはネギの下に隠れています。
スープは、鶏ガラベースの醤油味。いわゆる支那そばタイプであっさりとしておいしい。
麺は、中細のちぢれ麺。鹹水が多くなさそうで、あまり小麦の味もしませんが、縮れ麺ならではの喉越しが楽しい。
チャーシューは密度の高い、みしっとした感じのもの。ややえぐ味がありますが、本格的でいいチャーシューです。
ワンタンは普通ですが、スープによく合っています。
しかし、普通のラーメンが500円で、チャーシューメンが650円、ワンタンメンが580円、チャーシューワンタンメンが730円。市場内という家賃の安さが可能にしている部分はあるでしょうが、それにしても良心的な価格です。
最近、インパクトを追い求めるあまり、油や塩や唐辛子まみれのラーメンばかりになってきて一杯食べたらもう充分って感じです。そして高い。チャーシューメンで1,200円なんてザラなのですから。
この店のように、もっと日常的に食べられる味と価格のラーメンが戻ってきてほしい気がします。
そうそう、メニューにある「ラーメンおかわり」(150円)ですが、これは替え玉ではなく、きちんと丼に入った素のラーメンが出て来るそうで、ぜひ今回チャレンジしたかったのですが、さすがにそこまでのお腹の容量は残っていませんでした。残念。
市場の中という特殊な場所とはいえ、安くてあっさりとおいしいラーメンを提供し続ける店。いつまでもこのままで頑張ってほしいものです。
「あづま家」(淀橋市場・ラーメン)
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130404/13066069/