しばらくやめていたランチタイムの営業を先日、再開しました。
この店の日替わりランチは、お弁当形式。この日は鶏の照り焼きと白身魚のフライ、なめ茸奴とかぶのサラダです。
メインとなるおかずが2品あって、小鉢にあたるサイドメニューも2品ついてますからボリュームもあって豪華。これで900円はお得です。
日によって野菜が多い日もあり、なかなかに健康的。ラーメン屋しかないイメージの高田馬場・早稲田界隈にあって、貴重なお店です。
以前、いったん休止する前の日替わりは、雑穀米にこだわり、さらに野菜と魚の割合が多くてよりヘルシー路線だったような記憶がありますから、再開にあたってもう少し一般受けするほうに舵を切ったのでしょう。
また、焼魚定食などもあったのを絞り込み、日替わりの弁当と、海鮮の丼一種類にしたことで、かなり採算面で向上したのではないかと思います。
しかしいずれにしてもきちんと手間がかけられたおいしい定食です。
この店の場所は、明治通りと早稲田通りが交わる馬場口の交差点から南に少し歩いた場所。明治通りを挟んで小さな店が10軒ほど並ぶなかの真ん中あたりです。
透明な窓がなく、引戸が閉まっていると中の様子がまったくうかがい知れないため、やや入りづらい店だったのですが、入ってみるとやや細長い店内にはJの字のカウンター。以外にゆったりとした空間です。2階の座敷もほとんどが掘りごたつ式でくつろげるようになっています。
もちろん主営業は夜。
「串」が名前についていますが、いまは魚のほうが主力のようでおいしいものが揃っています。
サメの軟骨を千切りにし、梅肉であえた「梅水晶」。コリコリっとした歯触りが面白く、これはなかなかの珍味です。
ホヤ。その外見から海のパイナップルと呼ばれますが、甘み、しょっぱみ、すっぱみ、苦み、そしてうま味の5味を凝縮した複雑な味を持ち、新鮮でないとアンモニア臭がするため好き嫌いがはっきり分かれます。フレンチのシェフ・三国清三氏が子どもたちの食育に使うことでも知られていますが、ここのホヤは新鮮で臭みがなく、子供でもまったく抵抗なく食べられます。(季節限定)
鯨のステーキ。生姜醤油で漬け込んで特有の血の匂いを薄め、硬くならないようにレア気味でおいしく仕上げられています。
9月には松茸の土瓶蒸しもリーズナブルに。香りが鼻をくすぐり、だしのうま味が舌を喜ばせてくれます。これはあったらぜひ頼むべし。
揚げ物の串も丁寧なつくり。小さめの一口サイズですが衣が柔らかく、火の通り加減も絶妙でおいしい。
締めの茶漬けも、たらこから丁寧にあぶったことがわかる几帳面なつくりで抜かりがありません。
魚介類を中心に、何を食べてもおいしく満足できる店。
ランチタイムの「喫煙可」だけやめてくれれば満点なのですが、それでも行く価値はあると思います。
「串衛」(西早稲田・居酒屋)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13010889/2018