「チート」と「パタン」。客のほとんどはこのふたつを頼みます。
「パタン」は一応、裏メニューということで、店内には表示されてないというのに。
2013年7月の放送からすでに7年が経つというのに「孤独のグルメ Season3」の影響は絶大です。
この店があるのは、横浜駅から京急でふたつめの日ノ出町。
かつてこの日ノ出町から黄金町にかけて、ここは本当に日本なのかと目を疑うような光景がありました。
並ぶボロい建物にはひしめくように扉があり、女性たちが座って手招きしていました。「青線」「ちょんの間」と呼ばれた風俗街が、21世紀まで存続していたのです。
当時、興味本位で行ったことがありましたがあまりのいかがわしさにビビりました。
しかし2005年から徹底した浄化作戦が始まり風俗街は一掃。いかがわしさ満点の街は、アートの拠点として生まれ変わったのです。
その日ノ出町の路地裏にある中華の店。
看板は「豚足 豚耳 豚尾 豚舌 豚頭肉」とゲテモノ自慢です。
入ってまず注文したのはビール大ジョッキ。そして「チートのしょうが炒め」と「豚足」。
いきなり「パタン」も頼むと、いかにも「孤独のグルメ見て来ました」って感じでカッコ悪い。(バレバレですが)
ここはやっぱり九州人としてはずせない豚足という変化球でツウをアピールします。(そんなの誰も気にしてないっつーの)
チートは豚の胃。
しょうが炒めといいつつチートは茹でたような感じで、葛湯のような半透明の餡がまぶされててこれがレモンのような酸味があって絶妙においしい。
豚足もでかいのが4ピースもあってサービス満点ですが味噌がまたうまい。あっという間にむさぼり食ってしまいました。
でもまだパタンに行くにはプライドが許さない。(どんなプライドだよ)
そこで中華の王道・餃子を頼んでみるとユニークな形をした餃子が6個。まるでキリギリスのようなスリムさです。
具は多くないものの、細かく刻まれたニラなどの野菜と肉がいい調和を見せていました。
さあいよいよパタンです。山盛りで出てきたそれはリングイネでした。
中華麺というより平べったいパスタのリングイネそのもの。
これに刻んだニンニクとネギが乗り、醤油味のタレが回しかけてあります。
口に運ぶと「辛い!」。ニンニクの刺激的な辛さがストレートに口中を刺激してきます。
リングイネ特有の口当たりも楽しく、ただ夢中で食べてしまいました。
「あさってまで残っちゃうよ~」。
ドラマで常連客がそう言っていたセリフ通り、大量のニンニクがあす、爪の先から猛烈に匂ってくることでしょう。
でもいいんだ、明日は人とは仕事で会うだけで女の子とは会わないから…。
「第一亭」(横浜日ノ出町・中国料理)
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140102/14004194/