見よ、このサバのでかさを。
福岡の人間は皆、異常なまでに鯖好きですが、市の中心部・天神にある「真(まこと)」の「鯖一枚焼き」は、その福岡人をもうならせるほどデカくて身が厚くてジューシーでうまい。
なぜこんなにうまいのか。聞くと、秋のいちばん脂の乗った鯖を一年分仕入れて冷凍しておくのだといいます。
この、デカい鯖でどんぶり飯をかきこむ幸福ったらありません。
また、鯖の刺身をごまだれであえた「ごまさば」も美味。もちろん生の鯖。身が硬めでこりこりしておいしい。
普通、鯖は生で食べることはありません。
それは鯖の身にはアニサキスという寄生虫がいることが多く、生のまま食べるとそれが胃や腸の壁を食い破って七転八倒の痛みに襲われるからです。
最近、東京でもスーパーなどで鯖の刺身が置いてあったりしますがけっこう危険。沖縄の友人で5回もアニサキスに当たったのがいますから、決してなめてはいけません。
ところがこのアニサキス、福岡の北の玄界灘や東シナ海で獲れる鯖にはいないとか。
いたとしても毒性の非常に弱い種類だそうで、その恵まれた条件が福岡独自の食文化を形作ってきたのでしょう。
そして知られざる福岡のソウルフード、ニラ玉。
あまりに当たり前の存在すぎて、福岡人もこれがソウルフードだと気づいてないのですが餃子屋にまでニラ玉があるのは福岡だけ。
ここのニラ玉は表面がトロトロで火加減絶妙。味も濃いめで私の好みでした。
この店があるのは、福岡の中心・天神の少しはずれ。
水鏡天満宮という神社の脇にある飲食店街のひとつです。
ここはランチでは「鯖の一枚焼き定食」のみ。
それで行列ができるのですからたいしたものですが、こうして夜来てみるとほかにもおいしいものがたくさん。
ただ今回、ご飯が切れてるのが残念でした。
焼き鯖でどんぶり飯をかきこむ幸福が…。
「真(まこと)」(福岡天神・居酒屋)
https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40003911/