豊洲に移っても、味は変わっていませんでした。
ただ残念なのは、メニューが減っていたこと。名物だった焼売すらなかったのはちょっと寂しい限りです。
初めて行った豊洲市場。始発で5:30すぎには着く予定だったのですが、目覚ましのアラームを止めてくじけてしまい、さらに起きたあとも行こうかどうかぐずぐず迷いに迷って、結局着いたのは11:00すぎ。
しかしまあクソでかいこと。
豊洲市場の整備費は計画で3,926億円。鳥取県の今年度予算3,386億円をはるかに上回る巨費が投じられたとはいえ、ここまででかいのが必要なのか心配になります。
まずは青果棟に行ってみました。青果棟を移転先に選んだ「大和寿司」は、ひょっとしたら空いているんじゃないかと。…甘かった。すさまじい行列です。
そして水産仲卸棟へ。
ここはさらに阿鼻叫喚の世界でした。うじゃうじゃ。たぶん豊洲移転のニュースを見て来たこれらの人々は、もともとの築地の場内を知らないのでしょう。
築地の時代なら場内が混んでれば場外、という選択肢がありましたが、豊洲にはそれがありません。なので築地では誰も並ばなかったような店でもけっこうな行列ができてました。
当然ながら「寿司大」は大行列。最後の一団がいまかいまかと待ちくたびれていました。
そんななか、一瞬だけ行列がなくなった「ふぢの」へ。
コの字型のカウンターは変わりませんが、厨房は奥ではなく横になりました。
頼んだのは「チャーシューワンタンメン」(1,110円)。移転して味が変わったかどうかが心配です。
スープは鶏ガラベースの醤油味。素朴ともいえる味です。
麺は鹹水強めの縮れ麺。昔ながらのスタイルです。
チャーシューは肉厚が4枚。奇をてらうことのないオーソドックスなもの。
そしてちゅるんっと喉越し嬉しいワンタン。6個も入っていてそのサービスぶりが嬉しいです。
安心しました。味が変わってなくて。
かつてこの店があったのは築地の場内の1号館。人気店が集まる「魚河岸横丁」本体からは離れた、吉野家1号店などがあった並びです。
この店でおいしかったのが「広東麺」(800円)。
ややアンモニアっぽい臭いはあるものの、チャーシューの切れ端がたくさん入った餡がおいしく、身体が温まりました。
また、シュウマイも名物でおいしかった。1人前は4個600円ですが、麺類のサイドに頼む人のためにハーフの2個300円も用意されていました。
さらには「盛り合わせ」というメニューもあって、これはチャーシュー5枚とシュウマイ2個で600円。さらに「盛り合わせ(半分)」というのまで用意されていて、チャーシュー3枚にシュウマイ1個で400円。実に様々な組み合わせがあって、客の要求に柔軟に応える懐の深さがありました。
もちろん餃子(400円)にごはん(150円)をつけて定食にするのも可。庶民的な「ニッポンの中華」そのものでした。
豊洲に移って、客が押し寄せているから早めに売り切れているのか、それともあらかじめメニューを絞っているのかはいまひとつはっきりしませんが、かつてのような柔軟なメニューを早く取り戻してほしいものです。
しかし、いまでこそニュースなどを見て人々が押し寄せて来ていますが、築地のあの雰囲気がなくなった豊洲の人気がいつまで続くのか。それもまた心配ではあります。
「ふぢの」(豊洲市場・ラーメン)
https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131302/13227292/