ここのキーマの鮮烈さにはびっくりします。
目が覚めるようなスパイシーさ。辛いながらも奥深い味で、次々と口に運んでしまいます。こんなコクのあるキーマは初めてです。
頼んだのは「大辛チキンカレー&キーマカレーライス」(1,200円)。左がキーマ、右がチキンといういわゆる相がけです。ジャガイモなどのサブジ(炒め煮)と刻んだ漬物、そしてゆで卵1/2個が添えられます。
大辛チキンカレーのほうはストレートな辛さ。刻まれ煮込まれた玉ねぎのさらっとした食感がよく、ひと口大の鶏肉がたくさん入っていて、うま味もしっかり。汗が噴き出してきますが、これもかなりおいしい。
この店があるのは新宿駅北の大ガード西交差点から北に伸びる小滝橋通り。6分ほど歩いた場所の右側にあるレンガ色のビルの2階です。
階段を上って左に折れてすぐ。緑色に塗られた壁の店が目的の店。向かいにインド料理の店があるので間違えないようにしましょう。
店頭には、年配の男性2人とインド人の写真が貼られ、「六本木で30年愛されてたカレー屋FISH。その歴史あるお店の味を守り、ここ新宿で新たに甦ります」とあります。
実はこの元となる店「FISH」は、もとは六本木アークヒルズ内にあって30年もの間多くのファンに愛されてきました。ところがオーナー2人が年齢を重ねるにつれ玉ねぎを炒める重労働などが苦になってきたため、アークヒルズ内のレストランフロアの改装に伴い2017年に閉店してしまいます。
ところが常連客の中にいた飲食店オーナーが「私にこの味を引き継がせてください」と申し出て、インド人シェフを引き取ると同時に暖簾と味を継承し、ここ新宿に今年6月にオープンしたのです。
廃業しようという店の味を常連客が受け継ぎ、成功させた例は「蒙古タンメン中本」「一蘭」などいくつかありますが、ここもまたいい形で受け継がれていってほしいものです。
あまりに衝撃的なおいしさだったので、立て続けに行ってしまいました。次に頼んだのは「大辛カツカレー」。これがもうビリビリ来るような辛さ。こめかみが痛くなる感じです。
カツはカレーにほぼ完全に覆われてます。
カツは薄めで小さめ。辛いカレーに覆われてしまっているので、あまりカツの味を楽しめない感じだったのは残念でした。このカツカレーは前の店からそのまま引き継いだメニューですが、以前のカレースタンドというよりインド料理専門になったこの店にはなくてもいいかもしれません。いやちゃんとおいしいしんですけどね。
さらに立て続けに訪れて食べたのが「白身魚とキーマカレーライス」(1,350円)。
色の違いでわかるように、白身魚のカレーはココナッツミルクが入ったマイルドな味。
白身魚は小さいもののけっこう数が入っていて、表面がカリッと焼きあげられていて中はふんわりというなかなか絶妙な食感。これはおいしい。辛いもの好きな私にとっては、カレーそのものはやや物足りなくはありますが、この白身魚のおいしさは非常にお勧めです。
なお、ランチの全メニューにつくスープもまた、奥深い味でおいしく、しかも日替わりで飽きさせません。
一押しはキーマカレー。キーマ単独(1,000円)でも間違いなく満足できると思いますし、チキンカレーとのスパイスの違いを楽しむもよし。また、白身魚のカレーのマイルドさもなかなか捨てがたいものがありました。
夜は「インド風屋台」がコンセプトとのことで、様々なインド料理を手軽に楽しめるものとなっているそうですので、ぜひ夜も行ってみたいと思います。
駅からは遠く、わかりにくい場所にありますが、しかしカレーは絶品。みなさんもぜひ一度足を運んでみてください。
「FISH」(新宿・カレー)
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13222551/