今回、中津からあげが異常においしくてびっくりしました。
にんにくと一味唐辛子で味付けしたそうで、ピリッというよりビリビリッと辛い。熱々で出てくるので、頬張ると肉汁ぶしゃー、ではなくじゅわっと出てくる感じ。ランチでは、子どもの拳ほどの大きさの塊が4個も出てきてご飯とサラダ、味噌汁がついて600円ですからかなりのお得です。
写真はこの「中津からあげ定食」に、プラス300円で「りゅうきゅう」をつけたもの。
「りゅうきゅう」とは大分の郷土料理で、魚のづけ。九州ならではの甘い醤油で漬け込んだもので、福岡の「ごまさば」とよく似ています。しかし福岡のはサバに限るのに対し、大分のは言ってみればなんでもあり。この店の「りゅうきゅう」もこの日はきびなごとカンパチ(かな?)だったのに対し、以前訪れたときは鰆と鯛でしたから、融通無碍な料理です。
この店があるのは高田馬場。早稲田口を出てすぐ左の横断歩道を渡った先の細い道が「さかえ通り」という飲み屋街なのですが、そのさかえ通りの反対側を出てすぐ左の奥にひっそりとたたずんでいます。
大分というのは九州でもちょっと独特で、九州でありながら九州でない部分があります。たとえば「いちご」の発音は、ほかの九州は標準語と同じなのに対し、大分だけ頭にアクセントがつく関西風。これは、大分が九州の中央を走る山々に阻まれて他の地域との交流が少なかったのに対し、四国や広島・大阪などとは瀬戸内海を通じての交流があり、ひとつの経済圏に組み込まれていたため。ですので、食べ物に関してもちょっと違ってたりするのです。
「とり天」も大分ならではの名物のひとつ。衣はちょっとぽってりとした南国風ですが、さくっとした歯触り。この衣が水分を守るため、唐揚げとは違った味わいです。
この店では、ランチのとり天定食も600円。しかも「かぼすぽん酢」「塩だれ」「辛たれ」「おろしだれ」の4種類から選べます。さらにごはん大盛り・おかわりも無料という太っ腹。果たして採算がとれるのか、こっちのほうが心配になってしまいます。
店内はカウンターのほか奥にもまとまった数の席があり、宴会にも対応。夜もまた使い勝手がよさそうです。
ただひとつ、残念な点があるとすれば、ランチタイムが禁煙じゃないこと。これだけはちょっと勘弁してほしいものです。
しかし、高田馬場でも破格のランチの安さでちゃんとおいしい。昼も夜も重宝しそうなお店です。機会があったら、ぜひどうぞ。
「ウラニワ」(高田馬場・大分郷土料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13186456/