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梅香苑(若松河田・中国料理)

梅香苑

巴蜀(はしょく)料理というのは初めて聞きました。

巴は現在の重慶、蜀は成都を表すそうで、つまりは四川なのですが、実際は東に1,000㎞以上離れた武漢市の料理とのこと。店のメニューにある解説では、武漢は盆地で重慶と非常に気候が似ており、そのため辛くて痺れる四川の料理が伝わって独自の発達を遂げたとのこと。香辛料や発酵食品を多用し、香りや風味を際立たせているそうです。

梅香苑

店があるのは都営大江戸線の若松河田。
旧小笠原伯爵邸という、現在はスペイン料理レストランや結婚式場などに使われている美しい建物がある街で、店はそのちょうど向かいにあります。
なんでも、俳優の温水洋一氏がかつてアルバイトをしていたこともあるそうですが、18歳のころということですので店の歴史の長さがわかろうというものです。

梅香苑

珍しい巴蜀料理の店なのですから、やっぱりそれらしきものを頼まなければと注文したのが「巴蜀風そば」(880円)。プラス50円でごはんと杏仁豆腐が付くというのでやっぱり頼んでしまいます。

梅香苑

出てきたものは、思ったよりも赤くない。丼で山を形作っているのはキャベツと牛肉です。スープをひとくちすすってみると、ぼんやりした味。あれ?辛くないじゃん。メニューには「ピリッと香辛料を利かせた“牛肉・キャベツ炒め”を乗せた当店特製辛口そば」と書いてあり、四川伝来の料理とあったので辛さを期待していたのに肩透かしです。

梅香苑

と、食べはじめようとするときに、お盆の片隅に小さな蓋つきの容器があるのに気が付きました。中には褐色の物体が。辛味噌です。

梅香苑

これを入れた瞬間、まったく別の料理になりました。鮮烈な辛さと鼻をくすぐる香り。たちまちにして汗が額から噴き出してきます。これぞ巴蜀料理というものなのでしょう。

梅香苑

まずキャベツと牛肉の具を食べてみます。キャベツがしんなり、というかくたっとした感じ。炒め煮みたいなものかな、と一瞬思いましたが、実際は作り置きでくたっとしてしまったのでしょう。牛肉も多め。炒め物としてのバランスは悪くありません。

梅香苑

麺はやや縮れた細麺。ちょっと表面が硬いというか、焼きそば的な硬めの感触の麺です。けっこう丼の中で固まっていて、引っ張り出すのが一苦労。量も通常より多く、けっこうお腹いっぱいになりました。これはなかなかのお勧めです。

ただ、店は巴蜀料理だけにこだわっているわけではありません。

とくにおいしかったのは「台湾風担々麺」。

梅香苑

スープは薄味ながらだしが効いてておいしいのですが、特筆すべきは肉みそのうまさ。

梅香苑

辣油の香り高く、山椒(花椒)のシビレもちょっとありながら、濃厚な味噌のうま味がたまりません。これだけのためにこの店に通いつめたくなるほどのうまさです。
麺の量も多く、セットのご飯がいらないほどの大サービスぶり。これで単品780円、ご飯とザーサイと杏仁豆腐がついて830円はすごくお得なメニューです。

梅香苑

麻婆豆腐も、普通に頼めばいかにも日本人向きのものが出てきます。
別メニューで「巴蜀風麻婆豆腐」というものがありますが、これはランチでほかの料理と組み合わせたりすることは不可。巴蜀料理は店にとって大切なもの、特別扱いという位置づけなのでしょう。

梅香苑

ほかの料理は、特別辛いわけではなく、なじみやすい味。近隣の病院の売店向けに弁当を出荷していたりと、一般的な味のニーズはちゃんと把握しているようです。

梅香苑

とにかくお勧めは「巴蜀料理」。
メニューの数は少ないとはいえ、四川とも違う新しい味に出会ってみてはいかがでしょう。

 

 

 

 

「梅香苑」
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130504/13006149/

みんみん(♂)とっておき!!支配人

福岡県生まれの九州男児。中学高校とブラスバンドに所属し、高校のブラスの先輩がタモリさんというのが数少ない自慢です。メディア関係の企業に就職し、転勤族だったため各地のおいしいお店を探して食べ歩きを始めたのがこのウェブサイトの原点。現在は、映像関係の会社を営んでいます。

店舗情報

店名 梅香苑(若松河田・中国料理)
ジャンル 中国料理, 中国本土料理
TEL 03-3203-8435
住所 新宿区若松町11-3
梅香苑(若松河田・中国料理)
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交通手段 若松河田駅より徒歩2分
営業時間 11:00~21:30
定休日 無休

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