この店を代表する、ほのかに苦くておいしい煮穴子重(1,300円)です。
メソと呼ばれる小ぶりの穴子が2匹分。さっと煮込まれ、薄く敷かれたご飯の上に少量のんたれとともに乗せられています。上質なわさびが添えられていて、これとの相性が絶妙です。
たれはあっさりとしていて甘くなく、穴子の味を殺していません。広島の駅弁の穴子は、べったべたの甘さでパサパサしててうんざりするのですが、ここのは身が薄いだけに丁寧に仕上げられ、上品な味わいとなっています。
この若松河田周辺は昔からよく行くのですが、この店の存在はつい最近まで気づきませんでした。
なにしろ上にはド派手な中国料理の店が。その脇の細い階段を降りた半地下にひっそりとたたずんでいますから、普通に前を通っただけでは気づきません。
ランチは日替わりも充実。AからFまで6種類もあるほか、「限定」と称して2~3種類が毎日。
「真鯛かぶと煮」(900円)はかなり大きな鯛の頭で、とても食べ応えがありました。大きく切って添えられたごぼうがまた鯛のうま味を吸っておいしいこと。味付けも濃すぎずいい塩梅です。
近くに大きな病院が2つあり、周囲に調剤薬局も多いせいでしょうか、客は若い女性が意外に多い。しかもグループではなくひとり客が目立ちます。働く女性のみなさんも、こういう健康的な食事を欲しているのですね。
「サバ一夜干し定食」(1,000円)の鯖はけっこう大きめ。
肉厚で脂も乗っていて、箸を刺すと透明な脂がほとばしるほど。鯖好きの私でも堪能できました。
日替わりが充実しているので、とにかくここを目指してきてそれから好みの魚を選べるので重宝されているようす。これは便利な店を見つけました。
近くの「いとう」とどっちにしようか迷うことになりそうです。
ただ、忘れていけないのは、この店の売りは「煮穴子」「鯛めし」ということ。
こんどはぜひ「あぶり鯛めし重」にチャレンジしてみたいと思います。
みなさんも、この周辺に来たときにはぜひ。
「まる天」(若松河田・海鮮料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130504/13108736/