サバの味噌煮が、絶品です。
巷では、渋谷の「魚力」のサバの味噌煮がおいしいという人が多いですが、あんな甘い味噌煮がご飯のおかずになるなんて信じられません。塩味が効いてこそのご飯のおかず。そう信じる私にとっては、ここの漆黒の味噌煮は東京でも1,2を争うおいしさだと思います。
皿全体が真っ黒で出てくるので最初は驚きますが、身をほぐしてみると中は白いまま。塩ゆでした後に漆黒の味噌だれで軽く煮ているのでしょう。赤味噌をベースに香りがよく、見た目ほどの塩分もないので、身を浸して味付けをしながら食べる感じでしょうか。最高のご飯のおかずです。
この店があるのは若松河田。東京女子医科大学のすぐ手前の路地裏にひっそりとたたずんでいますが、昼時は必ず満席。店の外の椅子に座って待つ人、さらに立って待つ人も出るほど。
店内は5人掛けのカウンターに2人掛けのテーブルが2卓と非常に小さい店ですが、きっちりとした魚の定食を出す店として、近隣の人々に愛されています。
定食はサバの味噌煮、塩焼き、銀むつの煮込みなどの定番のほか、様々な日替わりも。
それぞれに最適の味付けと調理法がしてありどれもちゃんとしていておいしいのです。
しかし、この店に私が通うもうひとつのお目当てが、けんちん汁。
定食にプラス250円でつけられますが、根菜類が山盛りでほっかほか。おいしいのです。
何を食べてもおいしい定食の店として通い詰めてきた「いとう」。
じゃあ夜はどんな店なんだろう、とわざわざ都合をつけて訪れてみました。
単品のねぎとろ。ちゃんとした本物っぽいねぎとろです。
単品の肉じゃが。しみじみとおいしい。
しかし、夜は居酒屋になるかと思いきや、私以外の客はみなやっぱり定食。
私も最後はサバ味噌煮定食で〆て帰りましたとさ。
しかし、昼も夜も同じ値段。良心的な定食屋としていまどき貴重なこの店。
ずっとずっと続いてほしいですし、みなさんにもぜひ一度訪れてほしい店です。
「いとう」(若松河田・定食)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130504/13100526/