【裏天神】なる言葉を最近見るようになりました。
渋谷のはずれ、NHKの裏あたりを「裏渋谷」「裏渋」と呼ぶようになったことの真似でしょうが、地下鉄天神南駅の南の一角、住所で言うと渡辺通5丁目あたりを指すようです。
今回訪れたのはその裏天神の、川に面したビル2階にある創作イタリアン。「マリオ」の名がつくので広島の老舗イタリアンが進出してきたのかと思ったのですが、実際は福岡の唐揚げ主体の居酒屋が新業態でおしゃれな店を出したよう。店内いっぱいに大きなコの字型のカウンターがあり、L字に取り囲むように12人分の席が貼りついています。
残りの一辺は4人がけのテーブルがふたつくっついていますが、回転寿しのファミリー席のようなくっつき方。どれもカウンター内の厨房から手が届くため、ホールスタッフが不要となっています。
この店の名物は「和牛モモ肉のカツレツ」
(1,499円)。断面が真っ赤な牛カツはサクサクの衣に包まれ肉質は柔らか。噛むとじわっとうま味が溢れてきます。適度な塩梅でそのままで食べてもおいしい。
一方、自家製というソースの味がちょっとチープなのが残念です。1〜2人前とあったので足りるかな、と思っていたのですが予想より大きく、充分満足しました。
この店の客は女性だけ。1時間半弱の滞在中、延べ18人の客が来てたのですが、すべて女性二人組。オヤジは私ひとりだけで、すっごいアウェー感でした。
料理はとにかく見た目がきれい。その上白木のカウンターなど内装が美しい上に、照明も各席の真上から照らして影ができないように考えられています。この“映える”配慮が若い女性たちを掴んで離さないのでしょう。
そのほか、お通しがバゲットつきのクリームチーズ豆腐で、いきなり炭水化物攻めがユニーク。
豚足がはいった揚げ春巻はコラーゲンたっぷりでおいしいのですが、ぬらっとした口当たりが好き嫌い分かれそうです。
多くの種類がある生パスタのなかで選んだのが「牛スジのボロネーゼクリームソース」。
わざわざ兵庫県から取り寄せているそうですが、もちもちしてるもののなんか歯触りが悪いというか芯まで火が通ってる感じがしないというか欲求不満が残る感じ。ソースはおいしかっただけにちょい残念。
正直、これまで生パスタで感動するほどおいしいものに出会ったことがないので、似た印象になってしまいました。やはりパスタは乾麺がいいのでは?
とはいえ見た目美しくおいしいものがたくさんで雰囲気もよし。大切な人とのゆったりした時間を過ごすのにはとてもいいと思います。
「裏天神 MARIO」(福岡天神・イタリアン)
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