まごうことなき昭和のカレー。
しかしぼってりしたうどん粉カレーではなく、まっ黄っきでもない。洗練された進化系昭和カレーとでも言いましょうか。
とくにニンジンが銀杏切りなところが昭和ですが、こうした野菜がたくさん入っていて甘いもののくどくなく、最後にはしっかり辛さが喉の奥に蓄積されていく感じ。
ほっとするおいしさです。しかも600円と安い。
もともと甘いカレーは許せない人ですが、このカレーなら毎日食べてもいい。そんな魅力がこのカレーにはあります。
またサービスで一品、トッピングがつくのですが、勧められた手づくりコロッケのまたおいしいこと。じゃがいもホクホクの中にたっぷりのミンチが味を出してて、追加で単品を頼もうかと迷ったほどです。
ここは間借りの食堂。
金曜と日曜の週2日だけバーを借りて11時から17時まで営業しています。
場所はJR二日市駅のそば。駅から旧国道3号線にむけて伸びる細い路地にあります。階段を登った先で回れ右。ドアを開けるとまさにバー。
バーカウンターの内側に立つのは年配の女性ふたり。気さくなお母さんといった感じで、おひとりはたぶんバーを営む女性の実のお母さんなのでしょう。
カレーと数種類の定食のほかに単品もあり、昼呑みも可能。クソ暑かったので最初に瓶ビールを頼み、ホワイトボードのメニューから「白身魚の南ばん漬」を頼みます。
これが衝撃的にうまかった。
ツンとする酢の匂いもなく、さりとてベタっとする甘さもなく、ほんのり温かい白身のうま味が膨らみます。
親指大の白身が3切れの小鉢ですがなんと200円。ほかにもコロッケや筑前煮、ポテトサラダも200円。さらに300円で唐揚げ、チャンジャ、白身魚のフライなど安い。
この中からもう一品「山形だし」(200円)を。きゅうりやオクラなどを1mm角に刻んで塩などで味付けした東北・山形の郷土料理で夏、ご飯に乗せて食べると何杯でもいけるのですが、そういえば福岡には売っていません。懐かしさがこみ上げてきました。
そして後日、あらためて行って頼んだのは「お好み定食」(650円)。この日は鶏のつくねと鮭の塩焼きがセットで、そのほか好きな揚げ物が1品。さらに小鉢が3品と具だくさんの味噌汁ごはん。安すぎます。
とくにおいしかったのは選んだ白身魚のフライ。ふわっとしてほくほく。手づくりの温かさに心満たされます。
ほんと、金曜と日曜の昼だけというのが非常に惜しい。せめて週4日やってくれれば毎週通いたいと思うほど。
ぜひ一度、行ってみてください。
「こちさのごはん屋」(福岡二日市・カレー/定食)
https://www.instagram.com/p/CuPHLCoSLrO/