印象的だったのは、適度な酸味でした。
サラダのドレッシング、ガスパチョ、鶏肉のソテーのソース。すべてにおいてちょっと刺さってくるくらいの酸味が素材の味を引き立て、夏らしさを呼び覚ましてくれるよう。
いまや果物すべてが甘くなり、酸味が駆逐される時代。酸味あっての甘みというものがあるだろうにと思いますが、世の中は酸味・苦味・えぐ味を全否定し続け、味覚は貧困なものとなってきていました。
福岡の南、JR二日市駅近くにあるこの店。
地域の素材を使い、素材の味を最大限活かすことをコンセプトにしたカジュアルフレンチ。
「le deux marché」ル・ドゥ・マルシェという店名も直訳すれば「二日市」と、そのこだわりは半端ではありません。
ランチはワンプレート(1,480円)と「本日のおすすめコース」(1,980円)、それに「季節の贅沢コース」(3,780円)の三種類。おすすめコースはメインが肉か魚か選べ、デザートは別料金、贅沢コースは肉と魚の両方がついた上にデザートこみ。シンプルな組み立てです。
頼んだのはおすすめコース。
いまだけ無料でサービスというデザートもつけて。
前菜はさっき書いたように酸味の効いたドレッシングが印象的。
キノコのマリネ、カツオも和風アレンジで慈味深いものとなっていました。
ガスパチョも余計な甘みがなくトマト本来の酸味でまとめた感じ。口あたりまろやかで夏が全身にしみわたっていきました。
メインは鶏肉。低温調理なのか中心まで均一にきれいな色の断面。
歯触りもよく、酸味と塩味が薄く効いたソースといい調和を見せてくれています。オクラをはじめとした地元の野菜も美しく添えられ、目も楽しませてくれました。
ガスパチョもこのソースも、バゲットに吸わせて最後の一滴まで味わわせてもらいました。
余計な手を加えず、こだわった素材の味を最大限引き出す。そのへんのコテコテとは違うおしゃれな料理たちはぜひ一度味わってみてください。
「ル・ドゥ・マルシェ」(福岡二日市・フレンチ)
https://tabelog.com/fukuoka/A4003/A400301/40061698/