野菜の天ぷらがてんこ盛りのカレーがある。そう聞いてやってきたところ、店から漂ってきたのはコロッケの匂い。牛肉とジャガイモが油で熱せられて発する独特の香りにノックアウトされ、「手仕込み和牛コロッケカレー」を注文してしまいました。
市の文化会館にあるカレー店兼カフェ。
社会福祉法人による就労支援のための店ですが、カレー一本に絞ってることもあり、きちんとしたものを出してきます。
まず驚くのは器の形とデカさ。先端の尖った戦艦のような形で流さは40cmほど。ちょうど艦橋部分にご飯が盛られ、艦首に向けてカレーが並々と。「小林カレー」も「むちゃく」もそうですが、この街のカレーは量が多い。大盛りを頼んでたら悶死するところでした。
カレーソース(ルー)はオレンジ色。サラサラとしたインド風で、口に含むと普段接しない様々なスパイスの香りが広がってきます。かなりおいしい。
メニューには「ムスタン王国のカレーをベースに10種類のスパイスから…」とあり、インドでもネパールでもない不思議な味に納得させられます。ただ、実際にムスタンに行った人によるとムスタン王国はチベット文化圏なので本来カレーはないとか。…あれ?
コロッケのほうはやや大きめの俵型で、衣はやや粗めの家庭的なもの。
美しいキツネ色の衣に歯を入れるとサクッと軽い歯触りのあとほくほくでちょっとねっとり。ジャガイモと牛肉の味と香りが口いっぱいに広がりおいしい。単品でも充分に成り立つ一品です。
また「手仕込みチキンカレー」のほうは濃いキツネ色のガサガサっとした衣のなかに薄く切られた鶏もも肉。
歯ごたえがあり、噛むとうま味が出てくる感じです。
そのほか野菜天ぷら(鶏天入り)、バターチキン、シュリンプの計5種類のカレーが各860円。ドリンクセットが+100円、デザートまでついて+300円。
市の施設ということで広々としていい代わり、街の中心部からは遠くなかなか行こうという気にはならないかもしれませんが、おいしいのは保証しますのでぜひぜひ行って味わってみてください。
「ヨヒラ」(福岡筑紫野・カレー)
https://tabelog.com/fukuoka/A4003/A400301/40055966/