隣は、行列の絶えない有名カレー店。
その店の定休日である月曜のランチに、必ずカレーを出す洋風居酒屋が。
休みを知らずに来てしまった客を拾って小銭稼ぎをしようという戦略でしょうか?
いえ、月曜日にこそこの店のカレーを食べようと常連客が押し寄せるという【知られざる激ウマカレー】の店なのです。
この店があるのは福岡のJR二日市駅前。
佐藤栄作元首相が若かりしときに駅長として勤務したことがあり、彼がノーベル平和賞を獲ったときには街を挙げての大騒ぎとなりました。
いまもそのことを記念する石碑がひっそりと立っています。
その、駅前にある「小林カレー」が福岡では知る人ぞ知る有名店。
横にぴったりくっつく「むちゃく」という居酒屋が今回の店。
1階は右に長いカウンター席があり、左の階段の下にテーブル席があって奥に厨房。木目を生かしたいかにも洋風居酒屋といった感じです。2階もありますが、たぶん同じ雰囲気でしょう。
ここで2回、カレーを食べました。
最初は「厚切りベーコンと揚げナスのポモドーロカレー」(850円)。
店頭の看板には「まさかのカレーにベーコン!!これがびっくりするくらい合うんです」と書いてありましたが、まさにこのまま。
よく煮込まれたベーコンはふわふわ。言われなければ誰もベーコンだと思わないほど。
揚げナスの甘みがいいアクセントとなり、またポモドーロの名の通りトマトの甘みと酸味がありながらシャープな辛さが印象的なカレーでした。
翌週が「欧風チキンカレー」(900円)。果物や野菜が溶け込んだとろっとしたカレーに煮込まれた手羽元をトッピング。蜂蜜のような隠れた甘さとコクが非常に印象的。
これもまた専門店の領域に達したカレー。もしかしたら隣の店よりうまいかも…。
聞くとここのご主人はフレンチを修行してこの店を開いたとか。そうしたきちんとした基礎がなきゃこんな毎週毎週別の高度なカレーを作れるはずがありません。
一方でほかのメニューも充実。
別の日に食べたハンバーグもつなぎなしで肉汁が溢れ、まさに洋食屋の一品。
かと思えば炭火焼きの塩さばもラインナップされて客を飽きさせません。
どうしても二軒並んだ店の片方が行列だと、もう一軒は「かわいそうに…」と思ってしまうものですが、実際はこちらの店のほうが席のキャパシティがあるために並んでないだけのことかもしれません。
実際、ある日は厨房から「もう客を入れるなー」という叫び声が聞こえたこともあります。
行列の店の影で、実は地元の人だけが知っている穴場中の穴場の店。
まずは月曜日のランチタイム、カレーを食べてみてください。ぜひぜひ。
「むちゃく」(福岡筑紫野・洋食/カレー)
https://tabelog.com/fukuoka/A4003/A400301/40014740/