スモークサーモンを丼にするという発想はありませんでした。
王子さまもびっくりです。
そのほかは炒り卵としらす。
白板には「ガンバレ豊洲!」とありましたから魚介類の消費で市場関係者を支援しようというのでしょうか。意外にもけっこうおいしく食べられました。
ここは蕎麦屋。「砂場」の流れを汲む店なのですが、日替わりの丼がユニーク。
普通のかつ丼の日があるかと思えば、別の日には豚バラと厚揚げと切干大根を卵でとじたり。
オクラにめかぶと枝豆を胡麻で和えたものをしらすと合わせたりと発想が自由なのです。
これらの丼と、蕎麦かうどんがセットになって900円とか950円。多くの客がこのランチセット目当てに訪れます。
この店のある東新宿駅の北東の一帯は新宿7丁目。
住居表示導入に伴い、それまでの「東大久保」から変更したものですが正直、新宿駅から2km近くもあり、木造住宅が密集するこんな場所まで「新宿」と呼ぶのは無理があります。
かつて川が通っていたであろうくねくねとした道に面したモダンな3階建て。看板もなくよく見ないと蕎麦屋だとはわかりません。
店内はやや薄暗くバーのような雰囲気。大きなカウンターがあり、周囲にテーブルと奥に小さな座敷があります。
肝心の蕎麦は白さが際立つ細いもの。香りはそんなにありませんが腰が強く、食べ応えがあり、セットでも量は充分。
蕎麦つゆは薄くてやや甘め。大阪発祥という「砂場」伝統と言えるでしょうか。しょっぱさがなく、蕎麦をたっぷり浸して食べる感じです。
鴨せいろなど、蕎麦としてのメニューももちろんひと通りあり、丁寧な仕事ぶりが感じられます。
酒肴も充実しており、夜も普通なら楽しく飲めるようですが、やはりランチタイムのユニークな丼が嬉しい。
きちんとした蕎麦と一緒に、お得な日替わりセットを堪能してみてください。
「す奈ば」(東新宿・蕎麦)
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13038718/