ラーメンとカレーしかありません。この店。
元は伝統ある洋食屋だったそうですが、メニューを絞り込んでいくうちに2つに絞られたとのこと。よくまあ両極端なものが残ったものです。
ラーメンのスープは限りなく透明で、カレーは限りなく黒い。
どちらも水準をはるかに超えるうまさなのですから驚きます。事実上たった2つしかメニューがないのに連日行列ができるのも頷けます。
この店があるのは蒲田。正確に言うと蓮沼。東急池上線で蒲田からひと駅の小さな駅から歩いて1分。
不思議に広い道路の行き止まり付近にある小さな店。
ラーメンは通常の「支那そば」に加え「焼豚そば(三枚入)」と「同(五枚入)」の3種類のみ。
カレーに至っては通常の「カレー」と「半カレー」があるのみで、辛さすら選べません。
少数精鋭、よほど自信があるのでしょう。
(カレーつけめんもありますがあくまでオマケで、頼む人はいないようです)
私が頼んだのは「焼豚そば(三枚入)とカレー」のセット。つい欲張ってしまいフルスペックになってしまいました。
そして両方一緒の写真を撮りたかったので「一緒にお願いします」とひと言。
何も言わないと、ラーメンが先に出てカレーが5分後に出てきてしまいます。
これは、カレーを先に食べてしまうとラーメンの繊細なスープの味が分からなくなってしまうからという細かい心遣いのようです。
ラーメンのスープは非常に爽やかながらかなり濃いうま味。鰹節をベースに昆布などが補助的に使われているようで、「昆布のうま味は動物性のうま味と合わさるとすごく強くなる」というお手本のよう。スープだけずっと飲み続けていたくなる衝動にかられるほどうまい。
麺は縮れのある細麺でよくゆでられてるほうで、私にとっては好み。
焼豚(この店ではやきぶたと読ませる)は、ロース肉をそのまま使った大判。
これがまたしっかり味がしみてておいしいのです。
ほうれん草のゆで加減も硬めで最適。
なかなか文句のつけようもない一杯です。
そしてカレー。
レトロな型で盛り付けたご飯にかかったカレースープ(ルー)はほんとに真っ黒。
液体としてはサラサラなのですが味はどっしり。コク深く重厚な味で辛さも結構あります。これはこれで主義主張のある印象に残るカレーでした。
ただ、フルサイズ2つはさすがにキツかった。最後の方はカレーを無理やり押し込むようにしてやっと完食しました。
普通は「支那そばと半カレー」で充分でしょう。
都心からちょっと離れた蒲田ですからせっかく行くなら餃子でも、という気持ちになってしまうでしょうが、ちょっと変わったラーメンとカレーがあることも忘れないでください。
機会があればぜひ。
「インディアン 本店」(蓮沼・ラーメン/カレー)
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131714/13003311/