赤塚不二夫が通い詰めていた店で、なつかしい味の洋食に再会しました。
ハンバーグとヒレカツのセット。
880円のお手頃価格ながら、盛り付けは美しく、とくに切り口を揃えて見せたヒレカツと、トマトの上にあしらわれたコーンと枝豆に美的センスが現れています。
この店があるのは西武新宿線の中井。
高田馬場からたったふた駅なのに、昔もいまも地味な住宅街の中井です。
踏切を越えて北に向かい、右にあるごちゃごちゃとした飲み屋街を抜けたところにある「ぺいざん」がその店。
狭い店内にL字型のカウンター。
ひげを蓄えたふくよかな男性がひとりで仕切っています。
赤塚不二夫が好んだという、和風ハンバーグと串カツの「いちおしセット」にしようかと思いましたが、ちょっとヘソが曲がって「ハンバーグとヒレカツ」のセットに。
ヘソが曲がってしまったのは赤塚不二夫の「天才バカボン」よりも、コンタロウの「1・2のアッホ!!」のほうが好きだったせいでしょうか。
出てきたハンバーグとヒレカツ。デミグラスソースがかかっています。
正直言うとハンバーグにはあまりよい印象を持ちませんでした。手頃な値段からすれば標準的ではありますが。
一方でヒレカツは衣がちょっとガリガリしていたものの肉自体は柔らかくジューシーでおいしい。
また冒頭に触れたように、トマトはキャベツの上に8分の1が乗せられているのですが、コーンと枝豆があしらわれ、ドレッシングをまとうことで立派なサラダとなっていました。
これに丼めしと飲みやすい味噌汁で880円はやっぱり安いと思います。
隣で食べてたお兄ちゃんが立ち上がり、「また夜も来ます」と言って帰っていきました。こういう風に地元の人々に親しまれてきたのでしょう。
腰が低く、感謝の言葉を何度も口にして客に接するご主人とともにこの空間が、ずっと続くことを願っています。
「ぺいざん」(中井・洋食)
https://tabelog.com/tokyo/A1321/A132104/13061561/