官邸に詰める政治部記者のお勧めです。
並び始めたのが開店20分前の11:10。
すでに私の前には10人の行列が。
お姉さんが行列に注文取りにきたのが11:15。
入店できたのが11:33。
料理が出てきたのが12:06。
食べ終わって店を出たのが12:20。
前後を入れるとたっぷり1時間半も
昼食にかけてしまうことになります。
しかし、これだけの時間を費やす価値はある。
この肉の厚み。
赤身はほんのりピンク色を残しながらしっかりと火が通っていて歯触りも柔らかい。
脂身はいまにもはち切れんばかりにぷりぷりで噛むとほとばしるようなジューシーさ。衣はしっかりと肉と一体化し、さくさくと軽快な味わい。ガサガサすることもなく、ジットリすることもない絶妙な厚みです。
お姉さんに勧められた食べ方は、レモンを絞って岩塩か醤油。粒子の細かい塩を指でひとつまみし、入念に少しずつ均等にかけて頬張ると、肉のうま味が塩の力でいっそう力強く浮かび上がってきます。思わずうなるほどのうまさです。
一方で醤油は「べつにー」って感じでしょうか。
この店があるのは赤坂。
日枝神社から外堀通りを挟んだ反対側のブロックの奥の方にある小さな店。
どうやら継ぎ足しで大きくなったようで、店内の形がいびつです。
たぶんふたつだった店の間の壁をぶち抜きひとつにしたのでしょう。通りに面した正面の玄関から入り、細い路地に接する側面の玄関から出る感じです。
平日のランチはロースカツ定食1,280円から。
私が食べたのは上ロースカツ定食1,780円にごはん大盛りプラス100円。
こういう行列の店では「せっかくこんなに並んだんだから」「めったに来られないから」という心理が働き、高めのメニューを注文する人が多くなります。私もそのひとりでしたが。
開店前に行っても所要時間1時間半。かなりの覚悟がないと行けない店ではありますが、たしかにそれだけの価値はある店。
また、ランチタイムと夜ではそんなに定食の値段が変わらないようで、夜の食事として考えればこの界隈ではむしろ安い。意外に使いでのある店なのかもしれません。
とんかつのメッカといえば「とん太」「成蔵」「とん久」「ひなた」と名店がひしめく高田馬場ですが、ここ赤坂にもいいとんかつがありました。ぜひ。
「まさむね」(溜池山王・とんかつ)
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13156833/