世界広しといえども、こんな不思議な麺はほかにないんじゃないかと思います。
ミャンマー料理の「チェーオーピウ」。
なにが不思議かというとこの料理、ひとつの丼のなかに二種類の違う麺が入っているのです。
きしめんのような薄くて平べったい麺と、素麺のような細い麺が、同じスープに同居。
どちらもコメでできていて、ホルモンでだしを取った白濁スープに合っています。
ひと粒で二度おいしい、ではないですがとっても不思議な触感が楽しめます。
この店のある高田馬場は、“リトル・ヤンゴン”と呼ばれます。
ヤンゴンはミャンマーの首都の名前。つまり、ミャンマーの人々が寄り添って住む街として知られています。
ミャンマー、以前はビルマという名で呼ばれたこの国は、かつては農業大国として豊かな地域でした。ところが英国の植民地となり、その後日本軍が進攻するなど帝国主義の荒波に翻弄されたあと第二次世界大戦終了後に独立しました。ところが最多のビルマ族ですら50%超えるくらいしかおらず、多くの民族が群雄割拠するなかで60年にもわたって内戦が続き、多くの人々が難民となって海外に逃れてきました。
そうした人々が最初にコミュニティーを作り、その後留学生などもやってきていまの“リトル・ヤンゴン”が形づくられてきたのです。
ミャンマーは国土が広く、数多くの民族がいるため、地域によって料理もかなり違います。この店のミャンマー料理は、あるひとに言わせれば「日本で言う関西料理のようなもの」だそうで、そう言われてみると、全体に味がやさしく、日本人にとってなじみやすい味となっています。
ぜひこの店で食べてもらいたいのが「トーフジョー」という揚げ物。ひよこ豆で作った豆腐を揚げたものでほのかに甘くておいしいです。
また、面白いのは「ラベットウ」というサラダ。なんとお茶の葉がメインのサラダで、ナッツも入って食感が楽しい一品。
「セイターヒン」は羊肉のカレー煮込み。インドと国境を接するだけあって、ミャンマーもまたカレー味の料理が多く、なかでも羊肉を煮込んだこの一品はミャンマー料理入門として食べやすいと思います。
ほかにも、いわゆるさつま揚げや空心菜の炒めなど、インドシナ半島全般の料理もありますから、食べるのに困ることはありません。
やさしい味のミャンマー料理として、まず最初にここを目指してはいかがでしょうか。
とてもお勧めです。
「ミンガラバー」(高田馬場・ミャンマー料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13010849/