まさに痺れる辛さ。
途中で嫌になりそうなほどです。
揚げた唐辛子の山のなかに、まばらに存在する海老のフリッター。
どうしてここまでの量の唐辛子が必要なのか。実は海老の少なさをごまかすためじゃないかと疑ってしまいますが辛さと揮発性の香りがツンっときて、これがうまさになっていくのですからわかりません。
ここは四川料理専門。日本人向けのアレンジのない、かなり暴力的な辛さで攻めてきます。
麻婆豆腐もまた半端ない辛さ。
あふれんばかりの辣油に浮かぶ豆腐と肉味噌、覆い尽くすかのような花椒(山椒)の粉が舌と唇に容赦なく襲いかかってきます。
ビールで流し込むだけでは追いつかず、あわててライスを注文。ご飯の上に乗せてその甘さで辛さを緩和して食べないと辛い(つらい)くらいです。
ここまで暴力的に辛い麻婆豆腐は、池袋西口の「知音飯店」に次ぐもの。ただ、知音飯店が辛いだけで途中リタイアだったのに対し、この店のはきちんとうま味があり、食べているうちにおいしいと思えてくるから不思議です。
一方、「拌麺」という名の汁なし担々麺はややマイルド。細い麺に肉味噌がからみなかなかのうまさです。ランチタイムにはセットで提供されますからこれはおすすめ。
辛くないメニューも、ということで注文した「四川ダック」。
皮だけではなく、身も一緒にこんがりと焼き上げたもので、日本の鴨肉のような味わい。骨付きですが量も多く、これはなかなかお得感がありました。
最後に頼んだ「ゆでゴマ団子(麻湯圓)」。
ふだん私はデザートを注文することはないのですが、舌と唇に残る痺れを緩和したいとついつられて頼んでしまいました。
これがめちゃめちゃおいしい。ぷわぷわした衣のなかからとろーんと溶け出してくる黒ゴマのペーストのほどよい甘さ。辛さのあとだからおいしいのかとも思いましたが、疲れた舌を休ませるという意味では最高でした。
場所は赤坂見附の駅から西に3分ほどのビルの2階。やたら元気で話好きのおねえさんがひとりでホールを切り盛りしててんてこ舞い。常連客が多くいつも満席で、料理が出てくるのも遅かったりしますが、この激辛痺れ料理はかなりクセになりそうです。
火鍋も有名ですので、次は火鍋にチャレンジしてみたいと思います。一緒に挑戦してくれるかたはいらっしゃいますか?
「望蜀瀘」(赤坂見附・中国四川料理)
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13125606/