この店は、2年前のオープン直後から知っていて、なかでもパパイヤチキンカレーはとてもおいしくお勧めだったのですが、当時は店名がどこにも表示されていなかったために紹介しようにも紹介できず困っていました。
今回やっと名前がわかった「五六助」。
以前、この島のホテルで働いていたという男性が独立して始めたこの弁当の店はすっかり島に定着。島民はみんなが知っている人気店になっていました。ただ、観光協会に加盟してないためにガイドブックなどには載らず、観光客にとってはまだまだ知られていません。
メニューは「パパイヤチキンカレー」「オムライス」、それに390円の「サンキュー弁当」がメイン。
このほか「他人丼」「ステーキ弁当」「スパム丼」「島寿司」などちょっと統一感に欠けるラインナップですが、それぞれ特徴あるメニューで小笠原の人々の心をとらえています。
やはりお勧めは「パパイヤチキンカレー」(500円)。
パパイヤを青いうちに野菜としてふんだんに入れ、ココナツミルクを使いながらもかなり辛めに仕上げたこのカレーは、父島にあっては珍しいエスニック料理。ちょっと甘く、あとでカーッと来る辛さが、島の気候風土に合っている気がします。
ただそのご飯の量たるや、2合は入っているのではないかと思えるほど大量。女性ならこれひとつをふたりで分けると言いますから、よほどお腹がすいてない限り「ごはん少な目で」と注文したほうがよさそうです。
オムライスもまた容器からあふれんばかりの大盛り。
中のチキンライスがちょっと味が濃くて辛い気がしますが、これも500円とお得感は満点。ケチャップがちょっと酸っぱいのを改善してくれたら病みつきになる人がもっと増えることでしょう。
950円と、この店で最も高価な「ステーキ弁当」は、ステーキもごはんもてんこ盛り。
ステーキとごはん以外はにんじんの細切りソテー(にんじんしりしり)と玉子焼き一切れと漬物しかないシンプルさですが、あふれんばかりのごはんに、通常の2枚分は優にあろうかというほど山盛りのステーキには感動すら覚えます。決していい肉ではなく、焼き加減もウェルダンに近いため硬さもありますが、このボリュームの前には沈黙させられるような迫力があります。
メニューは限られるものの、なにを頼んでも破綻のないボリューム満点のお弁当。
ホエールウォッチングなどの島でのレジャーに持っていくもよし、白い砂浜でぼーっとするときのおともにもよし、様々に使える弁当屋として重宝すること間違いなしのお店です。