上の写真は、この店の名物「あかばラーメン」です。
アカバとはアカハタの小笠原での呼び名で、近畿ではクエ、九州ではアラ、沖縄ではミーバイと呼ばれる魚の一種。身がもちっとした、うま味の強い魚です。
このアカバでだしを取り、さらに小ぶりのものとはいえ頭付きの身を入れたこのラーメンは、さすがに名物を名乗るだけあるおいしさ。甘鯛の吸い物のような濃厚なうま味がまず最初に感じられ、続いて醤油と鶏ガラのうま味が追っかけてくるような、いい味わいのスープに仕上がっています。
わざわざ小笠原まで来てなんでラーメンを、と思うかもしれませんが、このアカバラーメンはぜひ試してほしい一品です。
この店があるのは島の中心・大村地区の西の端。
イベント広場である大神山公園をすぎた、ビジターセンターに隣接する場所にあります。
オレンジ色の建物は1階がこの中国料理店、2階はわりと高級な宿泊施設となっていて、さらに2階の広めのバルコニーは夏の間だけビアガーデンになるとのこと。白い砂浜が目の前の場所ですから、かなりいいビアガーデンになりそうです。
さて1階の中国料理店に話を戻すと、この店の主力はやはり麺類。
「絶品たんめん」と自称するタンメンは野菜などの具は少なめなもののあっさりしたスープの味わいがよく、飽きが来ません。
別の日に頼んだ「海鮮タンメン」も自慢の一品ですがなぜかタンメンのはずなのにスープは赤くて辛く、胡麻ペーストが浮かぶタンタンメン。
なぜ「海鮮」が付くだけでタンメンがタンタンメンになってしまうのか理解不能ですが、おばちゃんたちが注文に追われ、一所懸命に作る姿を見てしまうとそんな疑問をぶつけるのも気の毒な気がしてしまいました。いいんです、おいしければ。
そのほか、麺類のサイドメニューの定番、餃子は実にオーソドックス。自家製じゃないかもしれませんが、これはこれでいいサイドメニューと言えるでしょう。
店そのものは小笠原にしてはかなり広く、テーブルとテーブルの間にもかなりの余裕があります。しかしこの店、村役場や観光協会事務所に近く、しかも周囲にほかの店がないこともあって昼間はかなり混雑します。ですから簡単なメニューを頼んだつもりでも20分くらい待たされるのはザラ。
おがさわら丸での上陸直後、午後のホエールウォッチングツアーなどで急ぐときや、最終日の乗船時間が迫っているときには決してお勧めできる店ではありませんが、ゆったりとした時間のなかでちょっと変わった名物を食べたいというのならばお勧めの一軒と言えるでしょう。
「海遊」(小笠原父島・ラーメン)
https://tabelog.com/tokyo/A1331/A133102/13095479/