記憶には、文章や論理で覚える方法と、見たものをそのままをイメージ(画像)として覚える方法があり、どちらで覚えるかはひとによって違うのだといいます。
上の写真を見て、どこかで見た建物だなと思われたら、あなたはイメージで記憶する力が強いということかもしれません。
なぜならば、この店は去年(2009年)秋の東京メトロのポスターの撮影に使われ、2階のテラスで宮崎あおいさんがたたずむ姿が駅構内のいたるところに貼られていたのです。
私もこのポスターを最初見たとき「どっかで見たことのある店だなぁ」と思ったのですが、それがこの店だと気づくのには1か月ほどかかりました。
というのもこの店、ポスターではまるで代官山か青山にありそうな雰囲気ですが、この店が実際にあるのは高田馬場。あまりにも意外な場所だったのです。
東西線の東側(早稲田側)改札の出口に接していて、店がちょうど東京メトロの看板と重なるということでポスターに採用されたのでしょうが、なにしろ周辺はポスターのイメージからはほど遠いラーメンの街。
実際に宮崎あおいさんの視線の先には、「けいすけ」というラーメン屋の行列があったりして、現実を知るとなんか、とほほ…という感じです。
さて、外観や雰囲気が街に不似合いなこの店ですが、やはりラーメン激戦区・高田馬場で生きていくためでしょうか、ランチはかなりのボリューム自慢。
日替わりのランチは”ガッツリ限定”と称しているだけあり、どーんと鶏もも肉一枚を使うようなメイン。しかもけっこう野菜もたっぷり添えられて豪華です。
これにライスかパン、スープ・ドリンク・サラダ・デザート(杏仁豆腐など)が付き、このうちデザート・ドリンク・スープが食べ/飲み放題と太っ腹。
さらにランチタイムが15:30までと長いこともあって、周辺の学生、会社員などでいつも混雑しています。
また定番と月替わりの計3種類が用意されるパスタも、大きな皿に山盛り。大人の男でも食べ応えのある量です。ただ、その割に味付けは薄め・あっさりで、途中で辟易するようなことはありません。
実際に定番の「海の幸とキノコのスパ」と月替わりの「キノコとひき肉の煮込みボロネーゼ」を食べましたが、どちらも見た目よりも味が上品であっさり。すんなりとお腹におさまっていきました。
もちろん、パスタメニューもスープ・ドリンク・デザートが食べ/飲み放題。かなりお得で、使いでのある店と言えるでしょう。
夜はカフェ/洋風居酒屋としての営業。店内は地下・1階・2階の3フロアーがあって広く、ゆったりとした配置です。客席もテラスや個室風の区画があり、様々なシチュエーションにも対応できそうです。また、地下はライブハウスとしての使用もでき、金曜深夜を中心にジャズコンサートが開かれ、この街のジャズの拠点としての顔も。
2階の片隅にステレオ草創期のスピーカーであるJBLの銘機「パラゴン」が置いてあったりと、一見様々な顔を持つ不思議な店ですが、その底辺では「音」への強いこだわりが貫かれています。
そうそう、話はかわりますが現在この「コットンクラブ」を起点として周囲には「もめん屋」「きぬ屋」など、グループの飲食店が数店展開されているのですが、このネーミングがユニーク。
つまり、「コットンクラブ」→(綿)→「もめん屋」→(豆腐)→「きぬ屋」と言葉遊び。しかも「もめん屋」「きぬ屋」ともに和風居酒屋というのが面白いというか。
最近ではデフレ対応で「魚一(ぴん)」という低価格路線の居酒屋も出したようですが、中核となるこの「コットンクラブ」はこのままのスタイルで頑張っていってほしいものです。
「コットンクラブ」(高田馬場・カフェ)
https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130503/13006166/